こんにちは!
今回は、手軽に使い始められるシングルボードPC「Raspberry Pi 5 8GB」のレビューをお届けします。
いわゆる「ラズパイ」として親しまれているシリーズの最新世代です。
今回はケースや電源、microSDカード、映像出力用ケーブルまで一通りのアクセサリが同梱された、Vesonnから販売中のスターターキットをご紹介していきたいと思います。
製品の概要
「Raspberry Pi 5 8GB」は、手のひらサイズで扱えるシングルボードPCです。
今回試したのはスターターキットのため、専用ケースや冷却用のアクティブクーラー、給電用のアダプターやストレージに使用するmicroSDカード、映像出力用ケーブルなど「使い始め」に最低限必要な諸々が一揃いにパッケージ化されたもので、初めてでも導入しやすい構成になっています。
まず注目したいのは、前世代から分かりやすく伸びた基本性能です。
前世代の「Raspberry Pi 4」では、ARM Cortex-A72(1.8GHz x4コア) / VideoCore VI(500MHz)を内蔵したSoC(Broadcom BCM2711)が搭載されていましたが、
今回の「Raspberry Pi 5」では、ARM Cortex-A76(2.4GHz x4コア) / VideoCore VII(800MHz)を内蔵したSoC(Broadcom BCM2712)へとアップグレードされています。
前世代比で、およそ3倍の高速化が実現されており、GPUについても「4K / 60Hz」の高解像度を最大2画面まで出力できる仕様です。
また、今世代からは独自開発の「RP1」と呼ばれるサウスブリッジの役割を持つチップが新たに搭載されており、SoCとは「PCI Express Gen2 x4」の帯域で接続されています。
USB 3.0(5Gbps)のコントローラーが2基搭載へ変化したことで、複数のポートを同時に使用した際の速度低下が抑制されているようです。
スターターキットでは、2種類のメモリ容量(8GB / 16GB)のラインナップが展開されています。
それぞれ前世代の「LPDDR4-3200」から「LPDDR4X-4267」へ帯域がアップグレードされており、SoCだけでなく足回りについても高速化が成されています。
インターフェースは非常にコンパクトな基板へ可能な限り多くの要素が詰め込まれており、ネットワークは有線(ギガビット) / 無線(802.11ac WiFi)のそれぞれに対応。
極論、電源の供給さえあれば「他に何も接続していない状態」で運用することも可能なシンプル設計となっています。
詳細は公式サイトも併せてご参考いただければと思います。
パッケージ構成
スターターキットらしく、使い始めるために必要なものがひと通りそろっているのが好印象でした。
本体に加えて、以下のようなものが同梱されています。
- プラスチック製ケース
- 給電用の USB Type-C ACアダプター
- microSDカード(64GB) / microSDカードリーダー
- 画面出力用の HDMI to Micro HDMIケーブル x2本
- 冷却用のアクティブクーラー / 熱伝導シート
- ケース取り付け用のネジ類 / ドライバー / マニュアル など
特に便利だったのは、microSDカードだけでなくカードリーダーやドライバーまで同梱されていたことです。
このあたりは目立ちにくい部分ですが、初回セットアップで「結局これが足りない」と止まりにくく、スターターキットとしての完成度をしっかり上げています。
プラモデルを組み立てるような感覚で、セットアップ後はミニPCのような感覚で使い始められます。
基板がむき出しのままより気軽に使いやすく、デスク上での検証も進めやすい構成でした。
インターフェースと初期セットアップ
本体は非常にコンパクトですが、インターフェースはかなり充実しています。
USB 3.0 & USB 2.0、1GbE LANポート、2系統のMicro HDMI、USB Type-C 給電端子、GPIO接続用のピンなどがきれいに並んでおり、サイズから想像する以上にできることは広めです。
実際にケースへ収めてみると、インターフェースへのアクセスは行いやすく、見た目もスッキリとまとまっています。
通気用のスリットが多く設けられたケースは、風通しの良い場所であればそれほど発熱を気にすることもなく、安心して使用できると思います。
省スペースな開発環境、OpenClawなど流行りのAIエージェントなど、用途は幅広く検討することができ、まさに「色々と試していく」環境としては最適だと感じました。
また、今世代からはファン接続用のコネクタが増設されており、アクティブクーラーの使用を前提に設計されています。
SoCの温度に応じて回転数が制御される仕様のようで、アイドル時は停止している場面も多く、動作音も耳を澄ませないと聴こえない程度には静音性が高いようでした。
セットアップの流れも分かりやすく、初めてでも進めやすい部類だと感じました。
今回は公式ソフトウェア「Raspberry Pi Imager」を使い、「Raspberry Pi OS (64-bit)」をmicroSDカードへ書き込みました。
書き込み後は、そのmicroSDカードを本体へ挿し、電源とモニターをつなげば起動できます。
一連の手順は素直で、PCにある程度慣れている人なら大きく迷いにくいと思います。
カードリーダーが同梱されていることもあり、OSイメージの作成もスムーズで進めやすいと感じました。
また、初期設定時に各種情報をあらかじめ書き込んでおけば、「Raspberry Pi Connect」を使ったリモートアクセスもしやすくなります。
ブラウザからデスクトップやコマンドラインへ入れる導線が用意されているため、使い方次第ではモニターや周辺機器を常設しなくても扱いやすい構成です。
こうした性格から「Raspberry Pi 5 8GB」は、省スペースかつ省リソースな開発環境を試したい人に向いています。
大きなデスクトップPCを用意するほどではないけれど、Linux環境を手元で動かしたい場面にはかなり相性が良さそうです。
シンプルにLinuxや電子工作の勉強用、軽量な自宅サーバーの構築、流行りのAIエージェント系のソフトウェアを載せるスペースなど、幅広く用途を検討できる面白い製品だと思います。
一方で、少しだけ迷いやすかったのは、熱伝導シートの配置とアクティブクーラーの取り付けです。
商品ページに一例が示されているので大きく困るほどではありませんでしたが、基板上のどの部分を優先して冷却するべきかは少し分かりづらさが否めず、初心者だと判断に迷いやすいと感じました。
スターターキット専用のマニュアルは用意されておらず、この辺りは手探りやWeb上のナレッジを駆使しながら進めていく前提となるため、あと一歩の親切心があると扱いやすそうです。
販売先のストア情報
「Raspberry Pi 5 8GB」は、以下のストアでご購入いただけます。
より大容量のメモリが必要な場合は、別ラインナップとして16GBモデルも用意されているため、用途に応じて検討しやすい構成です。
まとめ
「Raspberry Pi 5 8GB」は、Raspberry Piをこれから触ってみたい人にかなり向いている構成でした。
スターターキットゆえに必要なアクセサリが最初から揃っており、OSイメージのの書き込みから初回起動までの流れも分かりやすく、導入のハードルは思ったよりも低かったです。
前世代比で進化した点を含め、単なる学習用の機材に留まらず、省スペースで実用的なマシンとして考えやすくなっているのも魅力です。
ラズパイ入門を考えている方にも勧めやすいスターターキットだと感じましたので、ぜひ一度チェックしてみてください。
今回のレビューは以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。






