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Pula Audio ARC – 尖らず、飾らず、自然体なイヤホン

4.0

「Pula Audio ARC」は、10mm径のPET振動板ダイナミックドライバーを1基搭載したイヤホンです。
実売20ドル前後という手頃なエントリークラスで、音の方向性も派手さより自然なまとまりを重視した印象。
全体的に柔らかく、ボーカルを近くに感じられるナチュラルなサウンドに仕上がっています。

今回は、Pula Audioがこの価格帯へ投入したイヤホンとして、どの程度のポテンシャルを持っているのか見ていきたいと思います。

HiFiGo様よりご提供いただきました。

製品の紹介

パッケージデザイン

パッケージは黒を基調に、ARCの名称にもつながる曲線(円弧)を大きく取り入れたデザイン。
落ち着いた雰囲気で、シンプルながら安っぽさはあまり感じません。

Pula Audio ARCの写真

付属品

付属品はケーブルと3サイズのイヤーピースなど、必要最低限といった構成です。
ケーブルの線材は情報が見当たりませんでしたが、透明な被覆を使ったシンプルなものです。このあたりは価格相応ですね。

少し気になったのが付属イヤーピース。軸部分が薄く、取り付けは少し手こずりました。
イヤーピース交換を頻繁に行わないなら大きな問題にはなりませんが、交換する場合は軸にある程度厚みのあるイヤーピースを選んだ方が扱いやすそうです。

Pula Audio ARCの写真

イヤホン本体

フェイスプレートにはCNC加工されたアルミニウム合金を採用。
細かなラインが入ったシルバーのフェイスプレートと透明なシェルの組み合わせで、この価格帯としてはかなり綺麗な仕上がりです。

厚さ6μmのPET振動板を採用した10mm径のダイナミックドライバーを1基搭載。
デュアルマグネット・デュアルチャンバー構造を採用しています。

シェルは全体的に小ぶりで、耳へ収まりやすいサイズ感です。
個人的に少し気になったのがノズルの短さで、シェルからノズル先端までの距離は実測で約4.2mmでした。
ノズル径は実測で約5.7mmと、特別太いわけではありません。
ただ、ノズル自体の突き出しが短いためか、耳への入り方は浅いように感じられました。

普段使っている「NICEHCK C04」では少し装着が甘く感じたため、「DUNU S&S(Stage & Studio)」へ交換しました。
個人的にはちょうど良い装着感になりました。軸にきちんと厚みのあるイヤーピースなら、スムーズに付け外しができると思います。

シェルが小さいため、そもそも耳へ収まらないというケースは比較的起こりにくそうですが、イヤーピース選びによって浅い装着感を補ってあげるのがポイントになりそうです。

Pula Audio ARCの写真
Pula Audio ARCの写真

販売先のストア情報

「Pula Audio ARC」は、以下のストアでご購入いただけます。

Pula Audio ARC
Pula Audio ARC

柔らかく自然な音色と、近いボーカルが印象的なエントリークラス

レビュー

レビュー環境

本記事のレビューは、以下の環境で行いました。

イヤーピースDUNU S&S(Stage & Studio)
ケーブル付属ケーブル(3.5mm)
DAC・アンプD&A Alpha Pro

全体的な音色・各音域のバランス

第一印象は、柔らかく自然な音です。
低音や高音を強調して派手に聴かせるのではなく、全体をなるべく違和感なくつなげたようなバランス。
脚色の少ないニュートラル寄りのサウンドで、「ナチュラルホン」という表現がしっくりきます。

その中ではボーカルが比較的前に出ており、距離感はかなり近めです。
音場については、エントリークラスという基準で見れば少し広さを感じられ、音に包まれるような感覚もあります。

ただ、価格帯を問わず全体で見れば、そこまで大きく開けた空間ではありません。
音のまとまり自体はコンパクトで、ある程度ギュッとした範囲の中で自然に鳴らしている印象です。

低音域

低音はきちんと量感があります。
ただし、グッと前へ食い込んでくるような強いパンチや、低音そのものを主役にするタイプではありません。

直近で低音をガツンと響かせるイヤホンを聴いていたこともあり、余計におとなしく感じられる部分もあると思います。
そのため、ARC単体で先入観なく聴いてしまえば、決して低音が足りないわけではありません。
むしろ低音を強く押し出すより、音楽全体の土台として空間を引き立てるような鳴り方です。

アタック感も比較的柔らかく出ており、強烈なキックや重低音の迫力を求める人には物足りないと思います。
そのぶん低音が中音域を覆ってしまうような圧迫感は少ないため、結果としてごくごく自然というバランスに落ち着いています。

中音域

特に分かりやすいのがボーカルの近さです。
ボーカルは比較的前へ出てきて、伴奏の奥に引っ込むような感覚は少なめ。低音を過剰に盛っていないこともあり、歌声へ自然と意識が向きます。

とはいえ、ボーカルだけを極端に浮かび上がらせるようなチューニングでもありません。
音の質感そのものが柔らかいため、前へ出ていても圧が強くなりすぎず、楽器とのつながりも比較的自然です。

派手な色付けや強烈な解像感で聴かせるというより、「普通に聴いたときの違和感の少なさ」を優先したような中音域だと思います。

高音域

高音域もかなり穏やかな印象で、刺さるような刺激は少なく、シャリつきを強調するような鳴り方でもありません。
長時間聴くことを考えると扱いやすいバランスだと思います。

高いところまでスッと伸びていくような感覚や、キラキラとした煌びやかさは控えめ。
細かな高音を強く照らし出すタイプではなく、あくまで全体の中へ自然に馴染ませています。

明るく開放的な高音や派手な抜けの良さを期待すると、少し物足りなく感じるかもしれませんね。
ただ、刺激を抑えて自然にまとめた方向性は、普段使いもしやすいバランスだと思います。

まとめ

「Pula Audio ARC」は、派手さよりも自然なまとまりを重視したイヤホンです。
低音には適度な量感があり、ボーカルは近め。高音域も刺激を抑えながら、全体的に柔らかく聴きやすいサウンドに仕上がっています。

低音の強烈なパンチや煌びやかな高音など、ひとつの要素を強く求める人には少し方向性が異なるかもしれません。
その反面、特定の音域を強調しすぎず、ボーカルを近くに感じながら自然に音楽を楽しみたい人には合わせやすいイヤホンです。

装着面では短めのノズルに少し癖がありますが、シェル自体は小ぶり。イヤーピースで装着の浅さを調整できれば、かなり扱いやすくなります。
20ドル前後のエントリークラスで無理に個性を盛るのではなく、素直で聴きやすいところへまとめた一台として、なかなか手堅い仕上がりだと思います。

今回のレビューは以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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