「XENNS Mangird Tea Pro SE」は、2025年に一度レビューした「XENNS Mangird Tea Pro」をベースにした、数量限定のスペシャルエディションです。
見た目はグリーンを基調にした装いへ、チューニングにも手が入っています。
今回は、無印(ノーマルのTea Pro)の印象を振り返りつつ、SEでどこが変わったのかを中心に、チェックしていきたいと思います。
製品の紹介
パッケージデザイン
パッケージは、白地に葉のような模様をうっすらと敷いた、落ち着いたデザインです。
中央には青と緑が混ざり合うマーブル模様の窓があり、そこへゴールドの筆記体で「Mangird」の文字が大きく走っています。
イヤホン本体のイメージの下には「Tea PRO SE」と「2DD + 6BA」の表記。
SEの部分だけがゴールドの丸で囲まれていて、限定版らしさがさりげなく出ています。
無印の淡いブルーのパッケージと比べると、全体に明るく、上品な雰囲気にまとまっていると思います。

付属品
付属品は、ケーブルと3.5mm/4.4mmの交換式プラグ、3種類のイヤーピース、キャリングケースなど。
イヤーピースは、黒いシリコン、黒いフォーム、白いシリコンの3種類で、それぞれS/M/Lの3サイズ。
無印より1種類増えていて、合わせやすさの幅が広がっています。
今回のレビューでは、白いシリコンのイヤーピースを使っています。
ケーブルは、無酸素銅と高純度銀のリッツ線を8芯で編み込んだもので、外被は深いグリーン。
しなやかで巻きグセもつきにくく、取り回しのしやすいケーブルです。
プラグは3.5mmと4.4mmを付け替えられる交換式なので、シングルエンドとバランス接続の機器を行き来するときも、プラグだけを替えれば済みます。
キャリングケースも、ケーブルと同じグリーンの合皮で仕立てられた丸い形です。
ケーブル、ケース、本体のフェイスプレートまで色がそろっていて、一式を並べたときの統一感があります。
布製のポーチも付いているので、持ち運び方を選べるのも嬉しいところです。

イヤホン本体
フェイスプレートは、深いグリーンの渦のような模様に金箔を散らしたデザインです。
中央には筆記体の「Mangird」のロゴが入り、光の当たり方で緑の濃淡がゆらめくように見えます。
無印のフェイスプレートも青と緑が混ざり合った綺麗な仕上がりでしたが、SEも甲乙つけがたいぐらいの出来。
SEはよりグリーンに寄っているぶん、派手さが抑えられていて、外観に落ち着きを求める方にも向いていると思います。
シェルは金属製で、形は無印と同じです。
この系列はシェルがマットな質感に仕上げられていて、光沢のあるシェルにありがちな、指紋がベタベタと目立つことがありません。
地味なところですが、毎日手に取るものだけに、ありがたいポイントですね。
ドライバー構成は、ダイナミックドライバー2基とバランスドアーマチュア6基の「2DD + 6BA」で、構成そのものは無印と同じです。
SEでは、高音域の上のほうを受け持つバランスドアーマチュアが、ツイーター2基の組み合わせに変わっています。
このあたりの違いが音にどう出ているのかは、このあとのレビューで触れていきます。
ノズルは金属製で、ノズル径は実測で約6.2mmです。
無印と同じくらいの太さなので、無印で使っていたイヤーピースも、そのまま使い回しやすいと思います。
シェルの側面には「Tea pro」とL/Rの印字があり、接続端子は2Pinです。
販売先のストア情報
「XENNS Mangird Tea Pro SE」は、以下のストアでご購入いただけます。
レビュー
レビュー環境
本記事のレビューは、以下の環境で行いました。
| イヤーピース | 付属イヤーピース(白) |
| ケーブル | 付属ケーブル(4.4mm) |
| DAC・アンプ | Luxsin X8 |
全体的な音色・各音域のバランス
全体的な音色は、ニュートラル〜やや寒色寄り。
低音を控えめにしたぶん、全体がすっきりと見通せて、無印のクールな音調はSEでも引き続いていると感じました。
どこか1つの帯域が前に飛び出すことはなく、音の粒をひとつひとつ整然と並べていくような鳴り方。
低音が中音域へ被りにくいので、ボーカルと楽器の分離も見やすいです。
無印の「XENNS Mangird Tea Pro」は、以前こちらでレビューしました。

上の記事のとおり、無印は寒色寄りの音色に、深さと締まりを両立した低音が土台を作るバランスでした。
SEはそこから低音の量と厚みを引き、高音域をより滑らかに整えた方向です。
無印が低音の勢いで楽しませてくれるとすれば、SEは全体の見通しと洗練で聴かせるイメージでしょうか。
なお、今回は2台を並べて聴き比べたわけではなく、試聴環境も無印のレビュー時とは違うので、比較はあくまで以前のレビューの印象からのものです。
低音域
低音域は、量感が控えめです。
無印でも低音は自然な量に収まっていましたが、SEではさらに一歩引いた位置にいて、全体を下から支える役回りに徹しています。
とはいえ、沈み込み自体は浅くありません。
キックドラムの芯はトンと下のほうでしっかり鳴り、余韻を引きずらずにスッと消えていくタイトな鳴り方です。
控えめになったのは、主にその上の中低域の厚み。
ベースギターの太さや、ドンと胸に響くような迫力は、無印より薄く感じると思います。
そのぶん中音域へのかぶりが少なく、低音が鳴っている曲でもボーカルの輪郭が濁りにくいのは、SEの良いところですね。
中音域
中音域は、ボーカルの輪郭がクリアで、すっきりと聴き取りやすいです。
低音が控えめなぶん、ボーカルの周りに余計な膨らみがなく、自然と浮かび上がってくる印象です。
なかでも、女性ボーカルは艶やかで聴き心地が良いです。
高めの声がきれいに伸びつつ、息遣いや語尾の抜けまで、滑らかにつながっていきます。
ボーカルの後ろで鳴るピアノやストリングスも、硬くなりすぎずに整然とした響き。
音色はクールさを残しながらも、耳当たりは穏やかなので、歌ものを中心に聴く方には特に相性が良いと思います。
高音域
高音域は、滑らかな質感です。
シンバルやハイハットの角が立ちすぎず、耳に刺さるような鋭さは出てきにくいと感じました。
それでいて、高音域の上のほうまですっと伸びていて、空気感はしっかりあります。
細かな音も拾いつつ、前へ押し出さずに全体の中へなじませる鳴り方で、寒色寄りの音色をきれいに締めくくる役割を果たしています。
無印の高音域も鋭さは抑えられていましたが、SEはそこからさらに角を丸めて、上品にまとめています。
反面、キラキラとした煌びやかさや、エッジの効いた明るい高音を求める方には、少し大人しめに聴こえるかもしれません。
まとめ
「XENNS Mangird Tea Pro SE」は、無印のクールな音調を引き継ぎながら、低音を控えめに、高音域を滑らかに整えた限定版のイヤホンでした。
全体の見通しが良く、特に女性ボーカルの艶やかさは、SEならではの魅力だと思います。
気になるのは、低音の量感と厚みです。
ベースギターの太さや、低音の勢いで楽しく聴かせてくれる音を求めるなら、無印の方が満足感は大きいかもしれません。
価格も、限定版のぶん無印より少し高めに設定されています。
個人的には、無印もSEもどちらも好きなイヤホンです。
低音の勢いを取るなら無印、全体の洗練とボーカルの艶やかさを取るならSE、という選び方になりそうです。
寒色寄りのクリアな音が好きな方や、女性ボーカルを中心に聴く方には、特に合うと思います。
グリーンでそろえた落ち着いた外観も含めて、気に入った方は数量限定のうちに手に取ってみてはいかがでしょうか。
今回のレビューは以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


