「DUNU PRS 5」は、DUNUの新シリーズ「PRS(Pro Response Sound)」の第2弾として登場した、1DD + 3BA + 1マイクロ平面駆動の5ドライバー構成のイヤホンです。
先に発売された兄弟機の「PRS 6」とともに、音楽からゲーム、映像まで1本でこなすことを掲げたシリーズになっています。
DN142とDN242もそうでしたが、DUNUは最近、兄弟機として2本並べて出すやり方が増えてきましたね。
今回は、2万円台後半の価格で5基のドライバーをどんな音にまとめているのかを中心に、チェックしていきたいと思います。
製品の紹介
パッケージデザイン
パッケージの正面には、赤い花に囲まれた銀髪の女性のイラストが大きく描かれています。
パールのネックレスにチョーカーを合わせた大人っぽい雰囲気で、個人的には性癖にぶっ刺さるお姉さん系のキャラクターデザインです。
左下には金色で「PRS 5」のロゴと「Pro Response Sound」の文字。
裏面には中国語・英語・日本語の3か国語で仕様がまとめられていて、ドライバー構成もここで確認できます。
同じイラストのアクリルスタンドも付いてくるので、箱をしまったあとも飾って楽しめるのは嬉しいですね。
付属品
付属品は、ケーブルと4.4mm/3.5mmの交換式プラグ、3種類のイヤーピース、キャリングケースなど。
イヤーピースは、DUNUのイヤホンにはほぼ必ずと言っていいほど付いてくる「S&S(Stage & Studio)」を含む3種類です。
S&Sは円筒形の特徴的な形をしたイヤーピースで、息の長い定番になっています。
今回のレビューも、このS&Sで聴いています。
ケーブルは、高純度の単結晶銅と銀メッキ単結晶銅を組み合わせた4芯のリッツ線で、落ち着いたブラウンの色味です。
プラグはDUNU独自の「Q-Lock Mini」による交換式で、4.4mmのバランスと3.5mmのシングルエンドを付け替えられます。
ケースは淡いグリーンの布張りで、ケーブルや交換用のプラグもまとめて収まる大きさです。
メーカー曰く、別売の「GAMING M1」(ブームマイク付きのケーブル)と組み合わせれば、ゲーム用のマイク付きイヤホンとしても使えるとのことです。

イヤホン本体
フェイスプレートは、複数の層を重ね合わせた複合ラミネート仕上げです。
赤や橙を中心に、緑や青が泡のような模様の中で揺らめき、見る角度や光の当たり方で表情がガラッと変わります。
縁には金色のトリムが入り、黒いシェルと合わせてかなり華やかな見た目です。
美しいとは思うのですが、ここは好みが分かれそうです。
見た目だけで言えば、兄弟機のPRS 6のフェイスプレートの方が万人受けしやすい外観だと思いますし、正直なところ、個人的にも評価が悩ましいデザインです。
シェルは3Dプリントによる樹脂製で、耳側は耳のくぼみへ沿うような曲面。
ただ、ノズルを含めた厚みがあり、耳からは結構出っ張ります。ノズル径は実測で約6.4mmと太めで、長さもあります。
耳にすっぽり収まるタイプではありませんが、個人的には着けていて不快感を抱くことはありませんでした。重さは公称で片側約8gです。
ドライバー構成は、低音域と超低音域を受け持つ10mmのダイナミックドライバー1基、中音域のバランスドアーマチュア2基、中高音域のバランスドアーマチュア1基、超高音域のマイクロ平面駆動ドライバー1基。
電気的なクロスオーバーと音響的なクロスオーバーを組み合わせた4ウェイ構成で、帯域ごとに鳴らすドライバーを分けています。
接続端子は2Pinです。
販売先のストア情報
「DUNU PRS 5」は、以下のストアでご購入いただけます。
1DD + 3BA + 1マイクロ平面駆動の5ドライバー構成。
角度で色が変わるフェイスプレートが目を引く、PRSシリーズのイヤホン。
レビュー
レビュー環境
本記事のレビューは、以下の環境で行いました。
| イヤーピース | 付属イヤーピース(DUNU S&S) |
| ケーブル | 付属ケーブル(4.4mm) |
| DAC・アンプ | Luxsin X8 |
全体的な音色・各音域のバランス
全体的な音色として、私自身のイメージは「ウォーム寄り」だと感じました。
低音が深く沈み、男性ボーカルの厚みもしっかり出る、温かみのある音作りです。
バランスとしては、低音が少し主張気味かもしれません。
そのぶん音の密度は高く、隙間なくぎっしりと鳴るタイプだと思います。
音場は横方向への広さはあまりなく、縦方向寄り。奥行きはそれなりに感じられます。
サビなどで楽器が一斉に鳴る場面では、ベースとキック、ギターの低い音が混ざり合い、ひとかたまりに聴こえることがありました。
以前レビューした「DUNU DN142」は、ニュートラル寄りで見通しの良さを重視した音でした。

DN142が低音を控えめにして輪郭で聴かせていたのに対して、PRS 5は低音の量と温かみで聴かせる、ほぼ反対の方向だと思います。
同じマイクロ平面駆動ドライバーを積んでいても、DN142のように高音が上へスッと伸びていく感じは控えめです。
メーカーはゲーム用途も掲げていますが、どちらかと言えば音楽向けのイヤホンで、ゲームもこなせますよ、という位置付けに感じました。
低音域
低音域には深みがあり、少し広がりも感じられます。ただ、何となくボワッとした感じもあり、量感は多めです。
量感の中心は、低音の一番下からミッドベースまでなだらかにつながっていて、キックドラムやベースギターにはずしりとした重みがあります。
ミッドベースを削っていないぶん、中低域にも厚みが乗り、曲全体がどっしりと太く鳴ります。
その反面、タイトに引き締まった低音や、速いフレーズで一音ずつ切れていくようなスピード感を求める方には、少しもたついて聴こえるかもしれません。
中音域
中音域で印象的なのは、男性ボーカルの厚みです。低い声が痩せずに太く響き、声の芯にも温かみがあります。
女性ボーカルに難点があるわけではなく、こちらは比較的クリアに聴こえます。
低音の量感があっても、高めの声もすっきりと抜けてきます。
伴奏との分離は、場面によっては少し微妙に感じることもありますが、まだハッキリしている方です。
ボーカルの周りの楽器も、厚みのある音でぎっしりと鳴る印象。
声と伴奏をまとめて濃く味わえる中音域で、楽器を一つずつ細かく聴き分けたい場面では、少し窮屈に感じるかもしれません。
高音域
高音域は刺さりが少なく、シンバルやハイハットも角が立ちにくい鳴り方です。
耳に痛いような尖りは出にくく、刺激は抑えめにまとめられています。
超高音域の伸びや空気感は控えめです。
上へ抜けていく爽やかさは少なく、全体の温かみの中に落ち着いて収まる高音域で、細かな音も主張しすぎずに鳴ります。
キラキラとした煌びやかさや、録音の場の空気まで感じたい方には、少し大人しく聴こえそうです。
まとめ
「DUNU PRS 5」は、深く沈む低音と男性ボーカルの厚みで聴かせる、ウォーム寄りのイヤホンでした。
高音域は刺さりが少なく、5基のドライバーを使った音は派手さよりも温かみと密度の方へまとめられています。
気になったのは、低音が少しボワッと主張気味な点と、音数の多い場面で低い音どうしがひとかたまりになりやすい点です。
超高音域の伸びや空気感も控えめなので、見通しの良さを重視するなら、DN142のような方向の方が合うと思います。
フェイスプレートの好みと、耳から出っ張るシェルの厚みも、人を選ぶところかもしれません。
ゲームもこなせるイヤホンとして売られていますが、主役はやはり音楽だと思います。
温かみのある厚い音で、低音と男性ボーカルをたっぷり味わいたい方なら、2万円台後半で5ドライバーという構成も含めて、十分に候補へ入るのではないでしょうか。
今回のレビューは以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。




