こんにちは!
今回は、NiceHCKから登場したイヤホン「NiceHCK Tears(涙)」のレビューをお届けします。
NiceHCKは、これまでケーブル製品を中心に評価を高めてきたブランドですが、近年ではイヤホン本体にも積極的に取り組みを進めています。
本製品は、同社の中でもやや異色な存在で、開放型に近い構造を採り入れたイヤホンです。
遮音性や迫力を重視するというよりも、音の広がりや自然さを重視した方向性が特徴で、聴き疲れしにくいサウンドを狙ったモデルといえます。
製品の紹介
パッケージデザイン
白を基調としたシンプルなデザインで、製品名「Tears」とイヤホンのイメージが大きく配置されています。
派手さはありませんが、製品コンセプトを端的に伝える落ち着いた印象です。
背面には周波数特性のイメージや仕様がまとめられており、事前に方向性を把握しやすい構成になっています。
カラーバリエーションは、白と黒の2種類が用意されており、今回ご提供いただいたモデルでは黒を選択しました。

付属品
ケーブル、イヤーピース、収納ポーチといった最低限のシンプルな構成は、エントリークラスならではの無駄のない形式となっています。
イヤーピースは、カラフルな配色で各サイズ分が用意されており、どのような環境でもすぐに使い始めることが可能です。

イヤホン本体
イヤホン本体は、角の取れた多角形デザインを採用しています。
フェイスプレートはマット調の落ち着いた仕上げで、側面には赤いラインがあしらわれており、主張しすぎない範囲で個性を感じさせます。
本製品は、10mm径のダイナミックドライバーを1基搭載したシングルダイナミック構成です。
デュアルマグネット構造を採用しており、振動板の駆動力を高めつつ、応答性と安定性の両立を狙った設計となっています。
また、内部には迷路状の音響構造を取り入れたチャンバー設計が採用されています。
背面やノズル周辺には複数の開口部が設けられており、密閉型イヤホンとは異なる、開放型に近い空気の流れを意識した構造であることが分かります。
この構造により、音がこもりにくく、広がりや抜けの良さを重視した鳴り方につながっています。
装着感は比較的軽く、耳への圧迫感は強くありません。
一方で、開口部の多い構造上、遮音性は高くないため、使用環境は選ぶ印象です。
屋外での使用よりも、静かな場所でじっくり音楽を楽しむ用途に向いたイヤホンといえるでしょう。
販売先のストア情報
「NiceHCK Tears」は、以下のストアでご購入いただけます。
レビュー
レビュー環境
本記事のレビューは、以下の環境で行いました。
| イヤーピース | 付属イヤーピース |
| イヤホンケーブル | 付属ケーブル(3.5mm) |
| DAC・アンプ | D&A Alpha Pro |
試聴曲(secret base ~君がくれたもの~ (10 years after Ver.) / 本間芽衣子 (CV:茅野愛衣))
全体的な音色・各音域のバランス
全体的な音色として、私自身のイメージは「ニュートラル」だと感じました。
音の聴こえ方としては「原音に忠実」というよりも、臨場感や広がりを重視した方向性が感じられます。
特に、元々空間表現に余裕のある楽曲と組み合わせた際に、そのポテンシャルが分かりやすく引き出される印象です。
開放型に近い構造の影響もあり、音が耳元で完結せず、前方や周囲へ自然に広がっていくような鳴り方をします。
海外レビューでも同様の指摘がされているようですが、モニター用途よりはリスニング用途に向いているチューニングといえるでしょう。
各音域のバランスについては、以下のとおりです。
低音域
低音域は量感を強く主張するタイプではありませんが、程よい厚みと広がりを持っています。
低音が一点に集中するのではなく、空間の一部として自然に広がるため、他の帯域とぶつかりにくい印象です。
楽曲全体を下支えする役割に徹しており、迫力重視の低音とは異なりますが、
聴いていて不足感を覚える場面は少なく、心地よさを優先した低音域と感じました。
中音域
中音域は、本製品の音作りを理解するうえで重要な帯域です。
ボーカルは過度に前に出ることはなく、楽曲全体の中に自然に溶け込むような定位を取ります。
広がりのある楽曲では、ボーカルと伴奏の間に十分な空間が確保され、
音像が詰まらず、ライブ音源を聴いているような臨場感が強調されます。
分析的に細部を追うというよりも、音楽全体に身を委ねて聴くスタイルに向いた中音域です。
高音域
高音域は刺激を前面に出すタイプではなく、全体の空気感を演出する役割に留まっています。
シャープさや煌びやかさを強調する方向ではないため、楽曲によっては穏やかに感じられる場面もあります。
一方で、音の広がりや余韻表現と相まって、
高音域が過度に主張せずとも、空間表現としては不足を感じにくいバランスです。
長時間聴いても疲れにくい高音域といえるでしょう。
まとめ
「NiceHCK Tears」は、開放型に近い構造を活かし、音の抜けや広がりを重視したイヤホンです。
全体的な音色はニュートラル寄りですが、原音忠実さを追求するというよりも、臨場感や空間表現を楽しむ方向性が感じられます。
静かな環境で、広がりのある楽曲やボーカル曲をリラックスして聴きたい人に向いた一台です。
一方で、低音の迫力や遮音性、モニター用途を重視する場合には好みが分かれる可能性があります。
用途と好みが合えば、エントリークラスの中でも個性を楽しめるイヤホンといえるでしょう。
今回のレビューは以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。






