こんにちは。
今回は、TANCHJIMより発売中のイヤホン「TANCHJIM x Effect Audio Force」のレビュー記事となります。
製品の概要
「TANCHJIM x Effect Audio Force」は、TANCHJIMとEffect Audioによる初のコラボレーションモデルであり、ハイエンド帯を見据えたデュアルダイナミックドライバー構成のインイヤーモニターです。
このモデルは、単なるチューニング違いの限定版にとどまらず、音響設計、構造設計、付属ケーブルに至るまで両社が深く関与した“共同開発機”として位置付けられており、中華系IEM市場においても稀な本格的協業の成果といえるでしょう。
ドライバー構成は、TANCHJIMが長年培ってきたDMT(Dual-Magnetic Technology)の最新版「DMT4 Ultra」に基づくもの。10mm径チタンコート振動板と、8.2mm径ベリリウムコート振動板の物理的なデュアルダイナミック構成により、帯域間の自然な分離と密度感を両立させています。
加えて、HPFD-Seg(High-Precision Frequency Division – Segmented)クロスオーバー構造を採用することで、不要な干渉や歪みを抑えつつ、2基のドライバーを理想的な帯域に割り当てています。
ハウジング設計には、FEA(有限要素解析)を用いた音響最適化が行われており、ドライバーや音導管、内部空間の関係性が綿密に制御されています。
シェルには透明な医療グレード樹脂を用い、フェイスプレートにはアルミ合金をCNC加工で仕上げた高精度パーツを採用。
視覚的な美しさと構造剛性を両立したデザインとなっています。
装着感や耳圧にも配慮されており、イヤーピースにはTANCHJIMが独自に設計したT-APB(TANCHJIM Air Pressure Balance)構造を採用。
装着時の内圧変動を効果的に緩和し、長時間リスニングでも疲れにくい快適な装着感を実現しています。
本製品は、TANCHJIMの音響技術とEffect Audioのプレミアムアクセサリー技術が融合した、両者の「本気」が詰まった一本です。
販売先のストア情報
「TANCHJIM x Effect Audio Force」は、以下のストアでご購入いただけます。
製品の紹介
パッケージ構成
パッケージは、製品としての完成度だけでなく、ブランドの美学や世界観を体現するように丁寧に設計されています。
外箱のスリーブには、TANCHJIMのオリジナルキャラクター「浅野てんき」が大きく描かれており、その佇まいは本機の名前である“Force”に込められた、静かな力強さや洗練された雰囲気を象徴しています。
「てんき」はTANCHJIM製品の顔としてたびたび登場するキャラクターであり、今回のForceでは、Effect Audioとのコラボレーションによって生まれた新たな“音の力”を体現する存在として描かれています。
イラストは、白を基調とした清廉な色調で構成され、銀髪のグラデーションやメカニカルなアクセントが、製品の高品位な素材感と共鳴するようにデザインされています。
箱右上にはコラボレーション相手の「Effect Audio」のロゴを配置。視覚的にも両ブランドの連携を強く印象づけています。
背面には、製品の詳細スペックが日・英・中・韓の4言語で記載され、周波数特性グラフも掲載。
実用性だけでなく、ユーザーがパッケージを通じて“製品の音作り”を予感できる、情報性の高い構成となっています。
スリーブを外すと現れるのは、TANCHJIMらしいシンプルかつ重厚感のある構成となっており、まず目に飛び込んでくるのはフェイスプレートが美しく収まったイヤホン本体。
片側には「FORCE」、もう一方には「TANCHJIM」の刻印が施され、まるで対をなす存在のように静かに佇んでいます。
全体として、製品の性能だけでなく、ストーリー性や所有感を大切にするTANCHJIMの姿勢が色濃く反映されたパッケージ構成といえるでしょう。

付属品
日常使いから本格リスニングまで幅広く対応できる充実した付属品が同梱されています。
まず目を引くのは、Effect Audioが設計した専用イヤホンケーブル。
素材には銀メッキUP-OCC単結晶銅が用いられ、柔軟性と耐久性を兼ね備えた「UltraFlexジャケット」で包まれており、編み込みは4芯構成かつ、しなやかで絡みにくいのが特徴。
コネクタは2Pin(0.78mm)仕様で、端子部分や分岐部には金属製パーツがあしらわれ、Yスプリッターには“FORCE”ロゴ、スライダー部には“EFFECT AUDIO”の刻印がそれぞれ施されています。
細部まで丁寧に仕上げられており、単体のアップグレードケーブルとしても遜色ない高級感と実用性を両立しています。
また、出力環境に応じて使い分けできる3種類のプラグ(3.5mm/4.4mm/USB Type-C)が付属。
プラグはすべてL字型デザインで統一されており、機器との接続時にも干渉しにくい構造です。
特にType-CプラグはDSPチップを内蔵しており、TANCHJIMの専用アプリを通じて5バンドPEQによる音質調整が可能。
スマートフォンやタブレットでのリスニングにも最適化されています。
イヤーピースは、TANCHJIM独自のT-APB(Air Pressure Balance)構造を採用したシリコン製。
装着時の内圧を緩和し、長時間の使用でも耳が疲れにくいよう配慮されています。
サイズはS/M/Lの3ペアが2種類のバリエーションで同梱されており、ユーザーの耳型や好みに合わせて選ぶことができます。
このように、音質面の追求と利便性の両立を目指した設計思想が随所に感じられる内容となっています。

イヤホン本体
本製品の筐体は、工業的な美しさと高度な音響設計を融合させた、完成度の高いデザインが特徴です。
フェイスプレートには、アルミ合金をCNC加工で精密に成形したパーツが採用されており、片側には「TANCHJIM」、もう片側には「FORCE」のロゴが刻印されています。
中央には、精密に穿孔された三角形状の金属メッシュが配置され、デザイン性と音響機能を両立。
左右で対になるロゴ構成は、本製品が二つのブランドの“力”が融合した協業モデルであることを象徴しています。
シェル部分には透明度の高いレジン素材が使われており、内部構造が視認できる設計となっています。
内部には、8.2mmベリリウムコートドライバーと10mmチタンコートダイナミックドライバー(DMT4 Ultra)の2基が独立して配置されており、TANCHJIM独自のHPFD-Seg クロスオーバー構造によって、各ドライバーが特定の帯域を担うことで、スムーズで干渉の少ない帯域分離を実現しています。
ノズル部分はややロングタイプで、イヤーピースとの安定したフィッティングを可能にする外径6.0mmの設計が採用されています。
このサイズは、TANCHJIM純正のT-APBイヤーピースとの相性が良好なだけでなく、他社製のイヤピースも選びやすい汎用性を備えています。
ノズル先端にはメッシュフィルターが内蔵されており、ホコリの侵入を防ぐとともに、高域の微調整にも貢献しています。
さらに、シェル外周にはEffect Audioのロゴがレーザー刻印されており、本製品が表面的なコラボではなく、設計段階から共同で作り込まれた製品であることを物語っています。
外観、構造、設計思想のすべてにおいて緻密に仕上げられた本製品は、外見からも“音の説得力”を感じさせるプロダクトとなっています。
レビュー
レビュー環境
本記事のレビュー時における構成は、以下のとおりです。
| イヤーピース | 付属イヤーピース |
| イヤホンケーブル | 付属ケーブル(4.4mm) |
| DAC・アンプ | D&A Alpha Pro |

試聴曲(unravel / TK from 凛として時雨)
全体的な音色・各音域のバランス
全体的な音色として、私自身のイメージは「寒色寄り~ニュートラル」だと感じました。
特定の帯域が過度に強調されることなく、空間表現や音の輪郭に重点を置いたバランス型のサウンドです。
密度の高い「unravel」(TK from 凛として時雨)を再生すると、その設計思想が明確に感じ取れます。
音場は前後・左右ともによく広がり、ボーカルや楽器が適度な距離感で整理されて定位し、それぞれのエレメントが干渉することなく自然に共存します。
全体として、情報量を丁寧に“整えて届ける”音作りという印象です。
各音域のバランスについては、以下のとおりです。
低音域
低音域は、抑制的かつ機能的な音を奏でます。
量感は控えめながらアタックの鋭さや沈み込みの深さに優れていると感じます。
「unravel」のドラムやベースラインでは、重くならずにタイトに締まり、音の芯がしっかりと感じられます。
一方で余韻はやや短めで、空間を濁さず中高域を支える“土台”としてバランスの取れた存在感を発揮します。
中音域
中音域は本製品の主な帯域で、明瞭さと自然さが共存する描写です。
TKのハイトーン・ファルセットは硬すぎず、しなやかに前へ抜けてくる一方で、バックのギターやストリングスとの分離も明確。
楽器ごとの重なりが多い場面でも、それぞれの音が空間内に整然と配置され、聴感上の混雑感が生まれにくいのが印象的です。
高音域
高音域は、5kHz前後にピークを持たせたややシャープな出音が特徴です。
「unravel」におけるシンバルやエレキギターの高域成分も明瞭に再現され、全体の輪郭をしっかりと引き締めます。
一方で8〜10kHzはやや穏やかに抑えられています。
耳に刺さるような刺激は控えめで、長時間のリスニングでも聴き疲れしにくいバランスとなっています。
バーチャル試聴
バイノーラルマイク収録でのバーチャル試聴です。
あくまでも参考値となりますので、実際に皆さまの耳で試聴された印象とは大きく異なる可能性があります。
今回のレビューは以上です。
お読みいただきありがとうございました。









