こんにちは。
今回は、FIIOより発売中のポータブルオーディオプレイヤー「FIIO M23」のレビュー記事です。
久々にAKM社のDACを搭載したDAPが登場するということで、色々な製品を聴き比べて購入したのがコチラ。
本記事で、FIIOの新製品の魅力をご紹介していきたいと思います。
製品概要
「FIIO M23」は、同社の「M11 Plus」系統の後継としてリリースされたオーディオプレイヤー(DAP)であり、前世代で好評であったデザインを引き継ぎつつ、新たな製品ラインナップの一つとしてリリースされた製品となります。

音の要となるDACチップには、同社としては久々にAKM社の製品を採用。
最新世代のフラッグシップ級DAC「AK4499EX+AK4191EQ」が1基搭載されています。
上記DACでは、アナログ部とデジタル部をチップ単位で分割しており、単純な数字上のS/N比を高めるだけに留まらず、前世代以上に音質へのこだわりが詰め込まれています。
また同社ではおなじみとなりましたが、THX社と共同で開発したアンプ「THX AAA-78+」を2基搭載しており、FIIOの音づくりの中心部ともいえる同チップにより、独特の音響表現で深みのあるサウンドを奏でてくれます。

バッテリーは「5,500mAh」の大容量かつ、最大30Wの急速充電に対応しています。
約1時間で80%ほどの充電が可能であり、再生時間はバランス出力時で約9時間(アンバランス出力時は約10.5時間)と、フラッグシップ級DACを搭載しているにも関わらず、長時間の使用を実現しているのが魅力です。

なお、本製品は「Android OS」を搭載しています。
核となるSoCには多くのDAPで使用されている「Qualcomm Snapdragon 660」を搭載しつつ、4GBと不足のないメモリ容量となっています。
内蔵ストレージは64GBのため、別途microSDカードを用意しない場合もある程度の楽曲数を保存して運用するといったことが可能です。
基板の各所の構成にもこだわりが詰め込まれており、高精度のフィルム抵抗や高容量のポリマータンタルコンデンサを搭載しています。
SoCやDAC、アンプなどといった各部分も回路そのものが分離されており、かつシールディングによって外来ノイズの影響を低減し、より良い音質で音楽が楽しめるように配慮された製品に仕上がっています。


パッケージと付属品等について
本製品はアルミニウム筐体の通常版とステンレス筐体の「Stainless Steel」版が数量限定でリリースされていますが、今回は予算の兼ね合いや持ち運ぶ際の重量も考慮しつつ、通常版を購入しました。
通常版では、TPU製のクリアケースが付属品として含まれているのですが、
外観の関係上、レザーケースは絶対に使いたいと考えていましたので、オプションとして購入しています。
開封を進めていくと、同社おなじみの「快速入門指南」の文字が。
いわゆる簡易説明書(クイックスタートガイド)ですが、それとなくFIIOは主張が強いように感じます。
先ほどレザーケースをご紹介した際に触れた「TPU製のクリアケース」は4枚目の写真をご参考ください。
本体は角ばったデザインで、左側面にはスリープボタン、タッチと物理操作に両対応したカーボン地の音量調整ボタン、任意に機能を割り当てられるマルチファンクションスイッチが備わっています。
音量調整は誤操作を防ぐために、設定で「ダブルタップ → スライドで音量変更」といった挙動へ変更することもできますので、痒いところに手が届く良い設計だと思います。
右側面には六角形のボタンやスライドスイッチが配置されています。
誤操作を防ぐホールドモードの切り替えや、本製品のウリでもある「デスクトップモード」の切り替えはスライドスイッチで行う仕組みとなっています。
裏面は光を当てる角度によって、少し怪しげな雰囲気のある格好いい魅せ方ができる加工となっています。
本体上部に備え付けの「3.5mm / 4.4mm」の端子は、いずれもイヤホン・ヘッドホン出力以外にライン出力に対応しており、モード切り替えはOS上のクイックメニューから行えます。
また、3.5mm端子は光デジタル(S/PDIF)出力にも対応しています。
本体下部にはSIMトレイ方式のmicroSDスロット、データ転送・充電兼用のUSB Type-C 3.0ポート、給電用のUSB Type-Cポート(赤色)の3つが備わっています。
いずれのポートで給電していても、デスクトップモードは有効化できますので「2本ともUSBケーブルの接続が必要」ということはありません。
あくまでも、給電が不足する場合に赤色のポートへ追加で接続する必要があるといった具合にお考えください。
過去にレビューした「HiBy R6 III」と並べてみました。
ややサイズ感は本製品のほうが大きめであり、重量も約300gとそれなりの重量は感じるように思います。

また、本製品からやや遅れて発売となりましたが、ほぼ専用品の多機能ドック「DK1 Pro」も併せてご紹介したいと思います。
「ほぼ」の意図としては、「FIIO M23」に限らず一般的なスマートフォン、例えばMoondropから登場して話題となったDAP兼スマートフォンの「MIAD01」にも公式対応しているといった点からとなります。
購入時点では、PCと接続して本製品をUSBDAC的に使えるのではないか…?と期待を持っていたのですが、あくまでも「ドック」とのことで、そういった使い方には対応していないとのことでした。
そのため、純粋に外部ストレージの音源を読み込んだり、本製品を据え置きDACに接続することでストレージのように使うといったシチュエーションを想定しているようです。
他に検討されている方がいれば、勘違いで銭失いとならないようお気を付けください(私はやむなくお蔵入りとしました)。
ただ、組み合わせだけはスマートで場所も取りませんので、あくまでも本製品単体で音を楽しむという場合であれば検討の余地ありかなと思います。

試聴前 – セットアップ
今回は「SeeAudio Neko」と組み合わせてのレビューを進めていきます。
6基のバランスド・アーマチュア搭載ながら、ニュートラルかつ安定感ある音質でお気に入りのイヤホンです。
本製品のウリである「デスクトップモード」の有無で印象が変わるのかどうか、聴き比べていこうと思います。
試聴してみての感想
デスクトップモード無効
ハイゲイン、かつ40程度のボリュームでちょうど良い具合となります。
AKM社のDACらしい、やや暖かみがあり包み込むような豊かな音は決してブーミーという印象ではなく、程よい解像度の高さも備えているように思います。
ESS社のDACで感じられる「圧倒的な分解能からなる解像度」とはやや異なる方向性で、そこにFIIOの音づくりが合わさって質感の良い音を奏でているように感じます。
AKM社が今世代のDACチップをアナログ部・デジタル部のセパレート構成で搭載したこともあって、ノイズ感は皆無です。
持ち運び用途にして、ここまで高レベルの音質が楽しめるのであれば一聴の余地ありの製品だと思いました。
デスクトップモード有効
デスクトップモードを有効化した場合、ハイゲインを一段階増しにした「スーパーハイゲイン」が開放されます。
本モードはFIIOが特許を有する技術で、最大1,000mWの大きな出力と共にバッテリーへの給電をカットすることで寿命への影響を回避することができますので、長期間にわたり使用し続ける用途にも最適だといえます。

デスクトップモードでは出力は当然のこと、据え置き型のDACに勝るとも劣らない音の深みを感じることができ、スペースに制限がありつつも最大限に音楽を楽しみたいならば、ぜひ試していただきたい機能だと思いました。
給電が可能であれば屋外でも使用できますので、必ずしも屋内使用に限定されるといったこともありません。
かの据え置きDACを力業でポータブル(という名の持ち歩き)されている方が思い浮かんでしまいますが、同等の運用ができると考えれば、ややお値段は嵩みますがマニアックな方への選択肢になり得るのではと思います。
お読みいただきありがとうございました。

















