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【レビュー】MUSEHiFi M6 Double – 今年の推しポイントはニキシー管? 新作の真空管DACが織りなす新たなサウンド

こんにちは!
今回は、MUSEHiFiから登場したポータブルDAC「MUSEHiFi M6 Double」のレビューをお届けします。

※本製品は、HiFiGo様よりご提供いただきました。
 このような機会をいただけたことに、心から感謝しています。

昨年、MUSEHiFiが送り出したポータブルDAC「M5 Ultra」に続き、真空管搭載シリーズの新製品がリリース。
2基の「JAN6418」真空管を搭載するといった特長はそのままに、同社が新たに取り入れた要素は「ニキシー管」でした。

コンパクトなニキシー管「IN-17」を贅沢にも2基搭載し、近代的な製品ながらもレトロな要素を兼ね備えた一品に昇華。
元来、オーディオ製品の持ち味となっている「聴覚への訴え」に加え、ニキシー管による「視覚への訴え」をプラス。

装いを新たにした本製品の特長やその音質を、ご紹介していきたいと思います。

なお、M5 Ultraのレビュー記事は以下をご参考ください。

製品の紹介

パッケージ構成

「M5 Ultra」のパッケージは武骨なデザインでしたが、今回は製品イメージを掲載しつつデザインを刷新。
本製品の特長でもあるニキシー管を前面にアピールしています。

付属品

本体のほかにUSBケーブル、専用レザーケース、変換ケーブル類が付属します。
ケーブルはメッシュ被覆仕様でしっかりとした作り。
Type-C to Type-Cケーブルに加え、Lightning用ケーブルとUSB-A変換アダプターも同梱されており、幅広いデバイスに対応。

専用ケースは深みのあるグリーンカラーで、質感はややマット。
本体をしっかりと保護しつつ、開口部の設計が精密で、操作性を損なわない仕上がりです。

一方で、デバイス接続用のケーブルはやや短め。
スマートフォンやタブレットと組み合わせて使う場合、取り回しに少し余裕が欲しくなる印象でした。
実用面では、もう少し長さのあるケーブルを別途用意しても良いかもしれません。

DAC本体

前作「M5 Ultra」と並べてみると、サイズ感の違いは一目瞭然です。
「M6 Double」は121mm × 81mm × 24mm、「M5 Ultra」は100mm × 62.8mm × 19.4mmで、本機は一回り以上の大型化となりました。
バッテリーも3,000mAhから4,500mAhへ増量され、駆動時間や余裕度の面で強化が図られています。

私の手のサイズだと、M6 Doubleは「辛うじて手のひらに収まる」くらいの感覚です。
据え置き寄りの運用なら問題ありませんが、日常的に持ち運ぶ前提なら、使用シーンや携帯方法をあらかじめ検討しておくのが良いと思います。

外装は角ばった意匠に刷新され、フロントは基板が覗くウィンドウデザインを採用しています。
エッジが立った造形ゆえに、持ち運び時の擦れや打痕対策としてケース装着はほぼ必須と感じます。

背面には技適マークの刻印があり、国内でも安心して利用できます。
そのほかモデル名や各種認証表記が整理されており、全体として工業製品らしい端正さと、ニキシー管のレトロ感が同居する仕上がりです。

余談ですが、今年もありがたいことに先行サンプルへ希望の刻印をしていただけました。
前作では「UNI-SONIA」をお願いしたのですが、文字数の関係で改行が挟まってしまっていたので「UNITEA」としました。
音質的なアドバンテージは、もちろんありません。。

出力端子は「3.5mm / 4.4mm」のそれぞれに対応。
USB端子はデータ転送用と給電用の2種類が用意されており、給電しながらの使用にも対応しています。

ボリューム調整はダイヤル式へと変更され、前作のボタン式よりも操作感が格段に向上しました。
ダイヤル操作は滑らかで適度なクリック感があり、誤操作も起こりにくい印象です。

音量は「0〜99」の100段階で細かく制御でき、現在値は前面のニキシー管の部分に表示される仕組みです。
シンプルな画面上だけの表示ではなく、ニキシー管が動的に現在のボリュームを表示するといった特徴により、視覚的な満足感を得られるという粋な演出だと思います。

側面には4つのボタンがあり、それぞれ以下の機能を備えています。

・電源ボタン(ディスプレイ / ニキシー管のオンオフ兼用)
・モード切り替えボタン(USB / Bluetooth の切り替えや、フィルター、真空管(VT) / トランジスタ(TM)のモード切り替え)
・モード選択ボタン(モード切り替えで遷移した項目上での設定切り替えに使用)

バッテリー持ちや製品そのものの寿命を気にしてしまう方は少なくないはず。
必要に応じて、ディスプレイやニキシー管を消灯できる点は素朴な機能でありながらも、大きなメリットです。

また、真空管モードでは側面の「JAN6418」搭載部分が淡く光る仕組み。
「M5 Ultra」から引き継がれている特長でもありますが、ニキシー管の演出と相まって、デジタル機器でありながら「音楽と同時に灯火を楽しむことができる」アナログ的な情緒をも感じさせるデザインは一見の余地ありです。

こうしたデザイン・操作系統は、MUSEHiFiが目指す「感性に寄り添うオーディオ」というテーマを端的に体現しています。
ポータビリティがやや損なわれた点は好みが分かれそうですが、前作を踏襲しつつも細部の質感が高められており、買い替えを検討するユーザーにも自然に馴染む完成度です。

販売先のストア情報

「MUSEHiFi M6 Double」は、以下のストアでご購入いただけます。
全世界1,000台の限定生産につき、どのタイミングで購入するかどうかは入念にご検討いただけたらと思います。

Musehifi M6 ダブル JAN 6418+IN-17 HiFi ポータブル DAC & ヘッドフォンアンプ ES9039 DAC チップセット真空管イヤホンデコーダー AMP - AliExpress 44
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レビュー

レビュー環境

本記事のレビューは、以下の環境で行いました。

イヤホンSeeAudio KAGUYA II
イヤホンケーブル付属ケーブル(4.4mm)
接続モード有線(USB Type-C to C) / 真空管モード

試聴曲(The Everlasting Guilty Crown / EGOIST)

全体的な音色・各音域のバランス

全体的な音色として、私自身のイメージは「ニュートラル」だと感じました。

前作の音色傾向を踏襲しながらも、ES9039系DACの採用により音の粒立ちや奥行き表現が一段と向上。
低歪みで静寂感のある背景を基盤に、微細なニュアンスを丁寧に描き出す精密さを備えています。
そこに真空管モード特有の倍音が重なり、デジタルとアナログの境界が自然に溶け合う、独自の心地よさを生み出しています。

一方のトランジスタモードでは、音の輪郭がより明瞭になり、硬質でスピード感のあるサウンドへと変化します。
表現の方向性が異なるため、リスニング用途にもモニター用途にも柔軟に使い分けられるのが魅力です。

各音域のバランスについては、以下のとおりです。

低音域

深く沈み込みながらも、重くなりすぎないバランス。
真空管モードでは低域がややふっくらと膨らみ、空気を含んだような自然な響き方をします。
ベースやドラムが心地よく支える“床鳴り”感があり、長時間聴いても疲れません。

トランジスタモードではよりタイトでスピード感のある低音に変化し、リズムの輪郭がくっきり際立ちます。

中音域

ボーカルは近すぎず遠すぎず、ちょうど良い距離感で定位。
真空管モードでは声や弦の響きに柔らかい余韻が加わり、ライブの空気感を再現したような臨場感があります。

トランジスタモードでは音の輪郭がより明瞭になり、録音のディテールを細かく聴き取れます。
どちらのモードでも、クセのない聴きやすさがあり、ジャンルを選ばない中域の完成度です。

高音域

すっきりとしていて、刺激感のない自然な伸び。
真空管モードでは音の角がほんのり丸まり、シンバルやピアノの余韻が柔らかく広がります。

トランジスタモードでは、音の立ち上がりが速く、煌びやかさが増します。
どちらも過剰に主張せず、全体のバランスを崩さないよう丁寧にチューニングされています。

まとめ

前年に引き続き、今年も意欲的な製品を作り出したMUSEHiFi。
「M6 Double」は、単なる後継機ではなく、ブランドが掲げる「真空管サウンド」をさらに深く煮詰めたモデルです。

一方で、本体サイズは前作よりも大きくなり、昨今の「軽量・小型化」トレンドとは対照的な方向性。
しかしながら、据え置きに近い設計思想は持ち歩くことよりも「音を聴く時間そのもの」を重視した結果とも捉えられます。
この辺りはユーザーの好みによって評価が分かれそうですが、今後も同社には独自に思い描く路線を進んでほしいところです。

なお、今回のサンプルには製品に関するパンフレットが同封されていました。
そこに記載されていたメーカーのコメントについても、一部紹介しておきたいと思います。

過去には、比較対象として、有名ブランドや人気セラーの製品を探していました。
しかし今回の製品開発は、そもそも参照できる製品が存在しませんでした。
この製品の定義自体が業界初のもので、誰も成し得ていなかったからです。

開発は非常に困難でした。
技術的な問題だけでなく、大量生産できる真空管が入手できないことも理由でした。
この製品を開発するため、まず中国で入手できるIN-17ニキシー管を約200本購入し、すべて研究開発に費やしました。
それでも足りず、海外にも当たり、サポートのために多くのリソースを探しました。

売っても100本で赤字。利益ゼロ。
途中、何度も諦めかけました。

ありがたいことに、最終的にはニキシー管を十分に確保できましたが、R&D中に多くを失い、量産できる分だけが残りました。

価格設定はさらに判断を難しくしました。
コストと時間、そして他社の限定品の価格を踏まえると、$999でもむしろ“お買い得”だと感じていました。

しかし最終的にはその考えを捨て、Mシリーズの一貫した価格戦略に従い、$399で販売することにしました。
既存ファンが、負担なく購入できるようにするためです。

現在も、IN-17を含むさまざまな真空管・ニキシー管を探し続けています。
それらを今後も製品に採り入れ、Mシリーズの一貫したデザインスタイルとしていくつもりです。

今回のレビューは以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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