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GEEKWOLD GK12 Ultra – 音に極振りした、低音派向けのエントリーイヤホン

4.0

今回は、GEEKWOLDから登場した有線イヤホン「GEEKWOLD GK12 Ultra」のレビューをお届けします。
6基のドライバー(2DD + 2PZT + 1BA + 1Planar)を搭載し、GEEKWOLD製品の中では手を出しやすい価格帯に収めたエントリーモデルです。
深く濃い低音が前面に出る低重心型。重い音が鳴る場面では、耳まわりを揺さぶられるような独特な印象も感じられました。

ただ、パッケージや付属品、外観はかなり割り切った作りです。
開封時の満足感よりも、「限られた予算をできるだけ中身へ回してほしい」という方に向いたイヤホンと思います。

HIFICHOI AUDIO様よりご提供いただきました。

製品の紹介

パッケージデザイン

低コストを地で行く、コンパクトな紙箱です。
ブランドを問わず、今まで開封してきたイヤホンの中でもかなり強くコスト削減の強い意思を感じる内容でした。

GEEKWOLD GK12 Ultraの写真
GEEKWOLD GK12 Ultraの写真

以前レビューした「GK20 Pro」や「GK260」は、レザー調のボックスや収納ケースを採用しており、価格帯に応じた見栄えも意識されていました。ただ、それらと比べるとGK12 Ultraの割り切り方は明確です。

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とはいえ、エントリーモデルに豪華なパッケージをおごり、その費用が販売価格へ反映されるよりは…。
イヤホン本体へ予算を振り分けてくれた方がうれしい方も多いでしょう。

開封時の高級感よりも、音だよ音!という方であれば、許容しやすい部分だと思います。

付属品

付属品は、3.5mmプラグのケーブルとイヤーピースというシンプルさ。
イヤーピースは軸色の異なるものが3ペアずつ付属しており、サイズや形状をある程度選べるようになっています。

付属ケーブルは銀メッキ線材で、白色の細身なタイプです。柔らかく、使用中の取り回し自体は悪くありません。
ただ、箱へ小さくまとめて収められているため、開封直後はやや強めのクセが付いていました。
そのまま使い始めるより、一度伸ばして形を整えてから使用した方が扱いやすいと思います。

プラグや分岐部分などのパーツは銀色で統一された標準的な外観です。
質感やデザインで満足感を高めるというより、必要最低限の機能を揃えたケーブルといった印象でした。

GEEKWOLD GK12 Ultraの写真

イヤホン本体

ドライバー構成は、2基のDD、2基のピエゾ(PZT)、1基のBA、1基の平面駆動(Planar)を搭載。
調べて限りでは、PZTは「PZT Bone Conduction Driver(ピエゾ骨伝導ドライバー)」として紹介されています。
ピエゾ骨伝導は最近のイヤホンでちらほら見られる構成で、空間表現であったり音の余韻を自然に補う方向性のものと考えています。

6基ものドライバーを詰め込んでいる割に、イヤホン本体はかなりコンパクトです。
樹脂製のシェルは軽量で、耳へ収めた際にも多ドライバー機らしい大きさや重さを感じにくくなっています。
私自身は安定して装着できており、耳が小さく大型の多ドライバー機を避けている方でも候補に入れやすいと思います。

フェイスプレートについては、商品ページの掲載画像と実物でかなり印象が異なります。
公式に紹介されている商品イメージでは鮮やかな青色に見えますが、今回届いた個体はほぼ黒に近い色合いでした。
明るい場所で角度を変えると青みを帯びた細かな模様が見えるものの、華やかなブルーを期待すると落差がありそうです。

見た目で強く訴えかけるというよりは、音で語りかけるタイプ。
低価格でも外観まで頑張っているイヤホンは珍しくありませんが、GEEKWOLDは中身を重視しているブランドな印象です。

なお、この記事のアイキャッチ画像(URLをSNSなどに貼り付けた際に表示される画像を指します)は、少しでも見栄えをよく掲載したいという自分の意向で、商品ページの色味に近づけています。

GEEKWOLD GK12 Ultraの写真
GEEKWOLD GK12 Ultraの写真

販売先のストア情報

「GEEKWOLD GK12 Ultra」は、以下のストアでご購入いただけます。

GEEKWOLD GK12 Ultra
GEEKWOLD GK12 Ultra

2DD+2PZT BC+1BA+1Planar 構成 濃く深い低音を手頃な価格で楽しめるエントリークラス

レビュー

レビュー環境

本記事のレビューは、以下の環境で行いました。

イヤーピースNICEHCK C04
ケーブル付属ケーブル(3.5mm)
DAC・アンプD&A Alpha Pro

全体的な音色・各音域のバランス

深く濃い低音を軸にした低重心型のイヤホンで、軽快に弾ませるよりも、ズッシリとした重さで音楽の土台を作ります。
バランスは明確に低音寄りですが、高音域まで一緒に曇るような印象はなく、帯域の両端は比較的分けて捉えやすいです。

音数が増えると低音とボーカルが少し混ざりやすくなるため、整然とした見通しよりも、厚みや勢いを楽しませる方向だと思います。

アンプ側のゲインは、LowからMid以上へ切り替えることで音の明瞭感が大きく変化しました。
私の環境では、低音の濃さを残しつつ各音域を追いやすいMidが丁度良い塩梅です。Highはさらに輪郭が明確になるため、好みに応じて選ぶのがよさそうでした。

ゲインによる変化は機器や音量によっても異なるため、ハイゲインが常に正解とは限りません。
複数の設定を試し、自分の環境に合う位置を探してみる価値があります。

低音域

低音域は、GK12 Ultraの印象を決める最大の要素です。
量感はかなり多めで、浅い位置を軽く弾ませるのではなく、深く沈みながらズッシリと重さを伝えてきます。

低い打音や太いベースラインにはしっかりとした存在感があり、音楽の下側を強く支えます。
芯だけを細く見せるタイトな低音ではなく、厚みや体感まで含めて楽しませる方向です。

リズムを前面へ出したポップやダンス系では低音の濃さが良い方向に働き、低音が楽曲の推進力となって自然とテンポへ乗りやすい鳴り方です。
重たい音が入った際には、音圧だけでなく耳まわりを少し揺さぶられるような感覚もありました。
同時に広がりも感じるようにも思い、ここがピエゾ骨伝導が持ち得る特徴なのかなと考えています。

なお、量感が多いぶん、音数の増えた場面では中音域との境界が少し曖昧になります。
常に大きく膨らんで収拾がつかなくなるわけではないものの、ボーカルまで明確に切り分けた低音を求める場合には、少し濃すぎると感じる可能性があります。

強みと弱みのどちらも、低音の存在感が基準となっており、スッキリとした万能型というよりは重く深い低音を積極的に楽しみたい方向けです。

中音域

中音域は、低音の後ろへ完全に隠れてしまうほど引っ込んではいません。
ボーカルには一定の存在感があり、声そのものが聴き取りにくくなる印象もありませんでした。

音数の多い楽曲では、濃い低音とボーカルの距離が近づき、少しまとまって聴こえる場面があります。
声だけを明確に切り離して前へ出すというより、低音を含めた音楽全体のまとまりの中で聴かせるタイプです。
ボーカルを中心に息遣いや細かな輪郭まで追いたい場合は、上位モデルほどの見通しを期待しない方がよさそうです。
リズム感の強い楽曲では、ボーカルと伴奏の近さが音楽の勢いにつながるため、必ずしも欠点には感じません。

ゲインをMidへ上げると低音との混ざりがやや抑えられ、Lowゲイン時よりもボーカルを追いやすくなりました。

高音域

高音域は低音ほど前へ出ませんが、両者の分離は比較的良好です。
低音の量感に押されて上側まで暗く沈む鳴り方ではなく、細かな高音や装飾音もきちんと存在を感じ取れます。
価格帯を考えると、この部分は思っていたよりも健闘しています。
低音へ強く寄せたイヤホンにありがちな、上の帯域まで覆われてしまうような窮屈さは抑えられているように思いました。

場面によっては、高音の端に若干の鋭さを感じることがあります。
常に硬く刺さるような刺激ではなく、全体としてはほとんど気になりません。

高音の広がりや細かな描写、余韻の自然さまで求めると上位モデルとの差は見えてきます。
それでも、低音を主役にしながら高音の存在を失わせないという意味では、エントリーモデルとして悪くないバランスです。

ゲインを上げるにつれて高音の輪郭も強まりますが、楽曲によっては鋭さも分かりやすくなります。
刺激を抑えながら明瞭感も確保したい場合は、今回の環境ではMidに抑えておく方が扱いやすく感じました。

なお、ここまでツラツラと書いておきながら、何だか聴き続けていくと…徐々に良くなっていくような印象も感じます。
いわゆるスルメ感のような感じです。
聴き始めて「うーん…?」と思った方は、しばらくそのまま様子見してみると良い変化を得られるかもしれません。

まとめ

「GEEKWOLD GK12 Ultra」は、深く濃い低音を特徴とするエントリークラスのイヤホンです。
6基のドライバーを詰め込んだ割に本体はコンパクトかつ軽量で、大型の多ドライバー機を装着しづらい方でも候補に入れやすい点は、分かりやすい長所だと思います。

音の方向性は、細かな分離や均整の取れたバランスよりも、低音の厚みと勢いを楽しませるタイプです。
リズム感のある楽曲との相性は良好ですが、音数が多い場面では帯域間の整理に上位モデルとの差を感じます。

低コストにまとめているがゆえに、パッケージや付属品、フェイスプレートの見栄えはかなり割り切られています。
「画像はイメージです」といった表現がふさわしいと感じ、こればかりは本記事や実際に購入されている方の報告を見たうえで検討するのが良いかと思いました。

この価格帯で考えると満足感はそこそこという結論で、確かに低音の個性や小型・軽量な本体など検討すべき要素はあります。
ただ、当然ながら上位モデルほど「お…? これは良いんじゃないか??」と、一聴した瞬間に引き込まれるような印象の強さまでは得づらいかもしれません。

特に、同ブランドの「GK20 Pro」と実売価格(セール時を想定)の差があまりなく、登場したばかりのGK12 Ultraにとっては厳しい戦いになっている気がします。
異なるレンジの製品なのだと判断できるほどに価格がこなれてくれば、その時にはじめて「手頃な価格で濃い低音と多ドライバー構成を試せる」という観点で、GK12 Ultraが候補になると思います。
少し予算を追加する余裕があって、音のまとまりや製品全体の満足感まで重視する場合は、GK20 Proも一緒にご検討ください。

今回のレビューは以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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