「JUZEAR Light Shuttle(時光機)」は、1DD + 4BA + 2マイクロ平面駆動の7ドライバー構成を採用した、実売3万円前後のイヤホンです。
光の筋をモチーフにしたメタルのフェイスプレートも含めて、スペックも見た目もなかなか存在感のある一台。
今回は、この構成と見た目から出てくる音がどうまとまっているのかを中心に、チェックしていきたいと思います。
製品の紹介
パッケージデザイン
パッケージは、深い紫の背景に光の筋が流れるようなデザインです。
中央には製品名の「Light Shuttle」と中国語名の「時光機」が大きく入り、その下にはイヤホン本体のイメージ。光の中を進むシャトルという製品名のとおり、スピード感のあるビジュアルにまとめられています。
下部には「4BA + 2Micro-Planar + 1DD」とドライバー構成も書かれていて、開ける前から多ドライバー機であることが分かるパッケージです。

付属品
付属品は、ケーブルと3.5mm/4.4mmの交換式プラグ、3種類のイヤーピース、キャリングケースなど。
イヤーピースは、グレーに赤い軸のバランス型シリコン(S/M/L)、色付きの軸のワイドボア(3サイズ)、フォームの3種類。
メーカー曰く、バランス型は密閉と低音の土台、ワイドボアは開放感と高音域の滑らかさを狙ったものとのことです。
今回のレビューでは、ワイドボアのうち水色の軸のものを使っています。
ケースは紺色のPUレザーで、ケーブルや交換用のプラグもまとめて収まります。
アクリルのスタンドには「Light Shuttle 時光機」のロゴが入っていて、飾っておくのにも良さそうです。
ケーブルは6N OCCの銀メッキ銅線を4芯で編み込んだもので、プラグは3.5mmと4.4mmを付け替えられる交換式です。
シングルエンドとバランス接続の機器を行き来するときも、プラグだけを替えればいいのは楽ですね。
なお、購入時にはType-Cのドングルが付いたセットも選べます(今回届いたのは、交換式プラグのみのセットです)。

イヤホン本体
フェイスプレートは、アルミ合金のプレートを5軸CNCで削り出し、見る角度で色が変わる虹色の仕上げを施したものです。
光の筋が流れるような模様に、金属の縁取りと宝石のような飾りが組み合わさり、全体としては少し無骨な雰囲気のデザインです。見た目の好みは分かれそうですが、色の主張はそこまで激しくありません。
シェルはDLP方式の3Dプリントによる樹脂製で、耳側はカスタムIEMのように耳の形へ沿った形状です。
サイズは少し大きめに感じます。とはいえ重さは公称で片側約6.4gと軽く、自分の耳では特に違和感なく着けていられそうでした。
耳の小さい方は、大きさが少し気になるかもしれません。ノズル径は実測で約6.1mmです。
ドライバー構成は、10mmのMACCDダイナミックドライバー1基、中音域と高音域を2基ずつ受け持つバランスドアーマチュア4基、マイクロ平面駆動ドライバー2基。
物理的な4ウェイのクロスオーバーと、独立した4本の音導管で、帯域ごとに鳴らすドライバーを分けた構成です。
接続端子は2Pinです。
販売先のストア情報
「JUZEAR Light Shuttle(時光機)」は、以下のストアでご購入いただけます。
1DD + 4BA + 2マイクロ平面駆動の7ドライバー構成。
光の筋をモチーフにしたメタルのフェイスプレートが目を引くイヤホン。
レビュー
レビュー環境
本記事のレビューは、以下の環境で行いました。
| イヤーピース | 付属イヤーピース(ワイドボア・水色) |
| ケーブル | 付属ケーブル(4.4mm) |
| DAC・アンプ | Luxsin X8 |
全体的な音色・各音域のバランス
全体的な音色は、低音をやや深めに沈ませつつ、ボーカルをクリアに見せるバランス型。
低音から高音までどこかが極端に飛び出すことはなく、見た目の無骨なイメージと裏腹に、とても聴きやすいと感じました。
最近増えている、サブベースをしっかり沈ませつつ、その上の帯域は膨らませないチューニングに近い音作りです。
低音が中音域へ被りにくいので音の重なりが少なく、全体がすっきりと見通せます。
7基のドライバーを積んでいても、帯域どうしのつなぎ目は意外と自然。
どこか1つのドライバーだけが浮いて聴こえるようなことも少なく、音の分離とまとまりをうまく両立させていると思います。
音場は広めだと思います。
低音の量で押さないぶん、左右への広がりを感じやすく、音数の多い曲でも窮屈さを感じにくいです。
ただ、定位が安定しないというか、多少ふらつくような印象もあります。
聴きやすさは十分ですが、腰を据えてじっくり聴き込めるかと言われると、少し難しいところ…。
JUZEARのイヤホンでは、以前「JUZEAR x KOTO Nebula(星雲)」もレビューしました。

Nebulaは、ボーカルを中心に置きつつ、高音域のきらめきも見せるバランス型でした。
Light Shuttleはそこから高音域の明るさを少し抑えて滑らかにまとめ、低音の沈み込みと音の広がりで聴かせる方向だと思います。
低音域
低音域の量感は控えめで、沈み込みもやや深い程度。
そのぶん音が膨らまず、ふわっと横へ広がっていくような鳴り方です。
芯になっているのは、ズンと沈むサブベースの方。
キックドラムは下から支えるように鳴り、余韻もダラダラと引きずらずにスッと引いていきます。
ミッドベースは控えめなので、ベースギターの太さや、ドンと胸に来るような迫力を求めると、少し物足りなさを覚えるかもしれません。
中音域
ボーカルの立ち位置は、ぐっと近くに寄ってくるほどでもなく、ほどよく一歩引いたところ。
それでも声の輪郭はスッキリハッキリしていて、とてもクリアに聴こえます。
低音に埋もれることも少なく、特に女性ボーカルは、高めの声が伸びやかに抜けていきます。
このあたりは、このイヤホンの得意分野と言ってよさそうです。
男性ボーカルも曇ることはないものの、低い声の厚みや胸に響く太さは控えめ。
声の輪郭を見やすく並べてくれる鳴り方で、サ行も刺さりにくく、ハッキリしていながら耳当たりは穏やかだと思います。
ボーカルの周りで鳴るアコースティックギターやピアノも、硬くなりすぎず素直な響き。
中音域全体の音色に癖が少ないので、歌もの以外の曲でも違和感なく聴けると思います。
高音域
高音域も刺激的でなく、全体に滑らかな質感です。
シンバルやハイハットの角が立ちにくく、耳に刺さるような尖りは出てきにくいです。
細かな音もきちんと拾いつつ、前へ押し出さずに全体の中へ自然になじませる鳴り方。
長く聴いていても疲れにくい高音域だと思います。
反面、キラキラとした煌びやかさや、鋭く切り込むような高音を求める方には、少し大人しめに聴こえそうです。
まとめ
「JUZEAR Light Shuttle(時光機)」は、7ドライバー構成と存在感のあるフェイスプレートから想像するよりも、ずっと聴きやすい音のイヤホンでした。
低音は量で押さずに深さと広がりを作り、ボーカルはスッキリとクリア。高音域も滑らかで、長時間のリスニングにも向いていると思います。
気になったのは、定位が多少ふらつくように感じた点です。
腰を据えて1音1音を聴き込むイヤホンかと言われると難しいところで、ベースの太さや煌びやかな高音を求める場合も、少し物足りなさがあるかもしれません。
シェルも少し大きめで、見た目の好みも分かれそうです。
ボーカル曲を中心に、広がりのある音を疲れにくく楽しみたい方なら、3万円前後の選択肢として十分に候補へ入ると思います。
今回のレビューは以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


