「TANCHJIM BUNNY for Gaming」は、同社のイヤホン「BUNNY」をベースに、ゲーム用途へ最適化した新規モデルです。
ゲーム向けの豊富な機能を備えつつも、日常的な音楽再生にも使いやすいイヤホンとしてまとまっています。
製品の紹介
パッケージデザイン
パッケージは黒~グレーを基調に、黄緑のアクセントを加えたシックなデザイン。
通常のBUNNYとは雰囲気が異なり、ひと目でゲーム向けのモデルだと分かりやすい外観になっています。

付属品
付属品はイヤーピース2種類が各3サイズ、持ち運び用のポーチなど。
USB Type-C接続用のケーブルが付属しており、PCやスマートフォンへそのまま接続して使用できます。

イヤホン本体
コンパクトで軽量な樹脂製シェルを採用しています。
ゲーム向けモデルではありますが、いかにもゲーミング製品といった派手なデザインではなく、普段使いもしやすい外観です。
ゲーマー(七海さん)にも試してもらったところ、縦幅約4cmの小さめな耳でもすっぽりと収まり、付属イヤーピースのMサイズで3時間ほど続けて装着しても痛みは感じなかったそうです。
ノズル径は実測で約6.5mm。数字だけ見るとやや太めですが、実際の装着でノズルの太さが気になることはありませんでした。
ドライバーには、通常のBUNNYに採用されているDMT4 Ultraとは異なる「DMT5 G」を搭載。
同社の第五世代型ダイナミックドライバー「DMT5」をゲーム用途へ最適化したもので、ナノセラミック・ドーム複合振動板とロングストローク設計を採用しています。
いわゆる世代交代や単純な上位・後継ではなく、ゲーム向けに応答性などを最適化したドライバーとなっています。
Type-Cケーブル側にはPureBridgeベースのDSPを搭載しており、最大384kHz/32bitの再生に対応。
専用アプリから8バンドPEQをはじめとした各種設定を変更できます。
専用アプリでは、豊富なゲーム向けの各種プリセットや、バーチャル5.1ch / 7.1chなどさまざまな設定が可能。
プリセットのひとつには、某所に旅立ったまま帰ってこない人を見かけるほどの大人気FPS「Escape from Tarkov」向けの設定も。
設定情報はDSP側に保存されるようで、保存後は接続先を切り替えても同じ設定を引き継いで使用できます。
同じような仕組みであっても、スマートフォンでしか設定変更ができないパターンはよくあります。PC対応はとても大事なことです。
レイテンシーはメーカー公称値では5ms以下とされており、実際にゲームで使っていても遅延はほんのわずかに感じる程度。
プレイ中に大きく気になるようなこともありませんでした。
また、ケーブルにはMEMSマイクを搭載しており、ノイズリダクションにも対応しています。
そのままでは環境によって少しゲイン不足を感じる場面がありますが、設定から最大15dBまでゲインを上げられるのがミソ。
マイク部分を触った際のタッチノイズやマウスのクリック音を重ねて録音してみても、声は比較的クリアに録れていました。
あくまで個人的な感想ではありますが、ゲーム中のボイスチャット用途としても十分使いやすそうです。
販売先のストア情報
「TANCHJIM BUNNY for Gaming」は、以下のストアでご購入いただけます。
レビュー
レビュー環境
本記事のレビューは、以下の環境で行いました。
| イヤーピース | 付属イヤーピース(Mサイズ) |
| ケーブル | 付属ケーブル(Type-C) |
全体的な音色・各音域のバランス
高音域寄りで、中~高音域の見通しが良いサウンドです。
低音も軽すぎるわけではなく必要十分な量感があり、迫力を前面に押し出すというより、レスポンスや音の収まりを重視したバランスだと思います。
厚みや濃さを強く出すタイプでもなく、一音一音の輪郭や細かな情報を追いやすい方向。
分離も比較的良く、複数の音が重なってもゴチャつきにくいため、全体としてはスッキリとまとまっています。
ゲーム向けだから極端なドンシャリというわけでもなく、日常的な音楽再生にも使いやすい音色です。
音場も窮屈さは少なく、左右だけでなく奥行き方向にもある程度の広がりがあります。
低音域
低音域は、量感を強く押し出すというよりレスポンスを重視した印象です。
決して軽すぎるわけではなく、音楽を聴くうえでも不足を感じにくい程度の厚みはあります。
沈み込みもしっかり感じられる一方、余韻を長く引っ張るようなタイプではありません。
低音の輪郭は比較的まとまっており、弾力感を残しながらスッと収まっていくような鳴り方です。
その一方で、重低音の迫力や濃厚な雰囲気を前面に出すイヤホンではありません。
低音の存在感そのものを求めると少し物足りなく感じる可能性はありますが、必要以上に低音が残らないため、ほかの音域を見通しやすいです。
中音域
中音域は高音域ほど前へ出るタイプではありませんが、埋もれてしまうような印象もありません。
厚みや柔らかさを強く出すというより、音の輪郭をやや明瞭に見せる方向。
全体にスッキリとしており、ボーカルや楽器の細かなニュアンスを追いやすく感じます。
ボーカルは極端に近くも遠くもなく、比較的自然な距離感。
声の厚みはやや控えめですが、そのぶん輪郭はハッキリとしており、抜けの良い印象があります。
低音が必要以上に被ってこないこともあり、複数の音が鳴っている場面でも比較的整理して聴きやすいです。
高音域
高音域はやや存在感が強く、全体の見通しの良さにつながっている部分です。
明るさはありますが、特定の帯域だけが鋭く飛び出すような鳴り方ではありません。
細かな音をハッキリ見せながらも、極端な刺激感までは出にくく、中音域とのつながりを残した仕上がりです。
弦楽器の細かなタッチや打楽器の立ち上がりなども分かりやすく、余韻を過剰に広げずキレよく鳴らします。
高い帯域まで比較的スッと伸びるため、全体として明るくクリアな印象を作っています。
ゲームでの使用感
ゲーム用途については、FPSを前提にチェックしています。
私自身はゲームにおける音の聞き分けにそこまで鋭いわけではありませんが、それでも位置関係はかなり掴みやすい印象です。
左右だけでなく、後ろ側から回り込んでくるような動きも追いやすく、物音などの細かな効果音も拾いやすい。
爆発音、足音、銃声などが重なる場面でも、私の場合はギリギリそれぞれを聞き分けられるくらいでした。
また、七海さんには「Escape from Tarkov」のSTREETS OF TARKOVにて、Kabanとの戦闘を中心に試してもらいました。
Scavの位置やグレネードの方向、ボスの声などがハッキリと分かりやすく、前方の音も拾いやすいとのこと。
上下方向を含めた敵の位置も把握しやすく、銃声が鳴っている最中でも足音が隠れにくかったそうです。
このあたりは、私が感じた中~高音域の見通しや分離感とも概ね一致しています。
バーチャル5.1ch / 7.1chについては、それぞれの違いまでは明確に体感しづらいものの、標準状態との差は分かりやすいです。
デフォルトでは比較的小さくまとまっていた空間が、機能を有効にするとグッと広がるような感覚があります。
位置関係の把握だけでなく、ゲームならではの臨場感を高める機能としてもメリットを感じました。
まとめ
「TANCHJIM BUNNY for Gaming」は、ゲーム用途への最適化をしっかりと行いつつも、普段の音楽再生にも使いやすくまとめられたイヤホンです。
低音を必要以上に盛らず、中~高音域の見通しや分離感を重視したサウンドで、FPSでは細かな効果音や敵の位置も追いやすく感じました。
実際にゲームをプレイしている七海さんからも、銃声の中で足音が隠れにくく、上下を含めた位置関係を把握しやすいという感想が得られており、ゲーム向けのチューニングはしっかり活かされている印象です。
バーチャル5.1ch / 7.1chやPEQ、ゲーム別プリセットといったDSP機能に加え、マイクのゲイン調整にも対応。
スマートフォンだけでなくPC側からも設定でき、USB Type-C一本でイヤホンとマイクまでまとめて使えるのも便利なところです。
ゲーム専用に振り切った音ではないので、普段は音楽を聴きつつ、FPSなどのゲームでも使いやすいイヤホンを探している方には選びやすいモデルだと思います。
今回のレビューは以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



