スマートフォン用のポータブルDACは、音を良くしたい一方で、ケーブルがぶら下がる扱いにくさが気になることもあります。
「Fosi Audio MD3」は、スマートフォンの背面へマグネットで装着可能なポータブルDACアンプです。
好きな画像を表示させることのできる円形ディスプレイを搭載しており、音質だけでなく持ち出す楽しさまで意識した製品です。
製品の紹介
パッケージデザイン
パッケージは白を基調に、「Fosi Audio MD3」本体のビジュアルを大きく見せるシンプルなデザインです。
円形ディスプレイと、Fosi Audioのイメージカラーでもあるオレンジ色のボタンがカジュアルなアクセントとなっています。
単純なオーディオ機器と表現するよりは、スマートフォンとの連携を押し出したアクセサリー寄りの見せ方にも感じました。
背面には主な特徴やメーカー情報がまとめられています。
付属品
付属品は、ストレート型USB-Cケーブル、L字型USB-Cケーブル、USB-A to USB-Cアダプターなど。
スマートフォンの背面に装着して使う製品ということもあり、短めのL字型ケーブルが付属しているのはかなり実用的です。
通常のストレート型のケーブルも同梱されており、スマートフォンだけでなく他のデバイスでも使い分けやすい構成になっています。
ストレート型は充電非対応、L字型は充電対応といった違いがあります。
本体には16枚のN52マグネットが内蔵されており、付属のリングをスマートフォンに貼り付ければケース越しでも装着できます。
ただし、金属ケースや厚みのあるケースでは固定力が弱まる可能性があるため、使用環境によっては注意が必要です。

DAC本体
本体は、角を丸めたスクエア型のコンパクトな筐体です。
正面には1.28インチの円形LCDディスプレイがあり、左下にはオレンジ色のボタンが配置されています。
ブラックの本体にオレンジのアクセントが加わることで、一気にカジュアルで遊び心を感じられる見た目になっています。
背面はオレンジ色のレザー調素材で、スマートフォンへ装着した際に本体同士が直接擦れにくくなり、手触りも良く単体でも持ちやすいです。
音の主要素となるDACチップには「ESS ES9039Q2M」を搭載し、増幅用のアンプには、同じく「ESS ES9603Q」を4基構成で搭載。
USB Audio Classは「UAC 2.0 / UAC 1.0」のそれぞれに対応しており、UAC 2.0ではPCM 32bit/384kHz、ネイティブDSD256まで扱える仕様です。
出力端子は「3.5mm / 4.4mm」の両対応。
最大出力は、3.5mm側が75mW×2、4.4mm側が180mW×2となっており、スマートフォン用のポータブルDACとしてはイヤホンを中心に扱いやすい構成です。
側面には3つのボタンが並んでおり、100段階の音量調整やメニュー操作を本体側で行えます。
スマートフォン側の音量ステップでは少し大きすぎる、または小さすぎると感じる場面でも、本体側で細かく合わせやすいです。
上部にもUSB-C端子があり、単純な接続位置の違いだけでなく、音楽を再生しながらスマートフォンを充電できる構造です。
本体サイズは70×45×12mm、重量はケーブルなしで約50g。
ドングルDACがぶら下がる感覚とは違い、スマートフォンと一体化して持ちやすい形にまとまっています。
ディスプレイのカスタマイズ
「Fosi Audio MD3」の大きな特徴は、円形ディスプレイを使った表示カスタマイズです。
ディスプレイには、デフォルトのアナログメーター風のUIの他に、カセットテープ風などいくつかのプリセットが導入済みです。
複数の画像形式(PNG / JPG / GIF)に対応しており、演出を重視する場合はGIF画像を用意してみるのも面白いかもしれません。
自分で用意した画像を表示させる場合、公式のWebアプリを使って画像のトリミングなどを簡単に行えるようになっています。
本製品ではUSB接続時のモードに「DAC / 画像転送」のいずれかを選べるようになっています。
画像転送モードへ切り替えると、パソコンからは外付けドライブとして認識されますので、そのまま画像を設置するだけです。
本体正面のオレンジ色のボタン(ビューファインダーキー)の操作で、表示させる画像の切り替えが可能となっています。
スマートフォンは一台しか持っていなかったので、同居人のをお借りして撮影しました。ありがとうございます。

販売先のストア情報
「Fosi Audio MD3」は、現在Makuakeにてクラウドファンディングを開催中です。
スマートフォンの音を格上げ。高音質と携帯性を両立させた、丸形ディスプレイ搭載ポータブルDAC
レビュー
レビュー環境
本記事のレビューは、以下の環境で行いました。イヤホンは「Fosi Audio IM4」を使用しています。
| イヤホン | Fosi Audio IM4 |
| 再生環境 | PC / スマートフォン |
使用感や音質について
「Fosi Audio MD3」は、スマートフォンと一体化して使える扱いやすさが魅力です。
一般的なドングルDACは、スマートフォンからケーブルでぶら下がる形になりやすく、持ち歩くときに少し気を使います。
MD3は背面へマグネットで装着できるため、スマートフォンとDACが別々に動きにくく、外で使うときの収まりが良いです。
装着時の安定感はケースの厚みや素材によって変わるため、強く振っても絶対に外れないというより、日常的な移動や手持ち操作でズレにくくするための仕組みと考えるとしっくりきます。
2つのUSB-C端子を備えている点も便利です。
ややケーブルの扱いには工夫が必要かもしれませんが、音楽を聴きながらスマートフォンを充電できるため、長時間の外出や作業中でもバッテリー残量を気にしすぎず使えます。
ディスプレイを常時点灯させると消費電力は増えるため、必要に応じて表示設定を調整した方が良さそうです。
音質は、強い味付けでイヤホンの個性を塗り替えるタイプではありません。
「Fosi Audio IM4」と組み合わせると、IM4が持つ自然な広がりやリスニング寄りの聴きやすさを残しながら、全体を少しすっきり整えてくれる印象です。
スマートフォン直挿しや簡易的な変換アダプターと比べると背景の静かさが分かりやすく、小さな音がざらつきに埋もれにくくなります。
IM4はもともと閉塞感が少なく、ふわりと広がるような空間表現が魅力のイヤホンです。
MD3を通すと、その広がりを極端に狭めることなく、中央のボーカルや低い打音の位置が少し見えやすくなります。
空間を大きく演出するというより、広がりを残したまま輪郭を整える方向です。
帯域ごとの変化も、全体としては自然にまとまっています。
低音域は量を足すよりリズムの芯を追いやすくし、中音域はボーカルが伴奏に埋もれにくいです。
高音域も明るさを残しつつ、硬く刺さる方向には寄りすぎず、IM4の刺激感を抑えたバランスとも相性が良いと感じました。
鳴らしにくい大型ヘッドホンをしっかり駆動する用途には、あまり向かない印象です。
MD3は高出力を前面に押し出す据え置き寄りのアンプではなく、イヤホンをスマートフォンで快適に使うためのポータブルDACと見るのが自然です。
他に気になった点として、底面のUSB-C端子と3.5mm端子の距離がやや近いです。
使用するケーブルによっては干渉する可能性があるため、少し留意しておくと良いと思います。
まとめ
「Fosi Audio MD3」は、ドングルDAC特有のぶら下がる扱いにくさを抑えつつ、円形ディスプレイや画像カスタマイズ機能によって、オーディオ機器としてだけでなくガジェットとして触る楽しさもあります。
音の傾向は、イヤホンの個性を大きく変えるより、背景を静かにして聴きやすく整える方向です。
「Fosi Audio IM4」との組み合わせでも、自然な広がりや刺激感の少ないバランスを崩さず、普段使いしやすい音にまとまっていました。
普通のドングルDACの取り回しが気になっていた方や、スマートフォンでもイヤホンを快適に使いたい方には、MD3は相性の良い選択肢だと思います。音質、携帯性、見た目の楽しさをまとめて重視できる、Fosi Audioらしい遊び心のあるポータブルDACでした。
今回のレビューは以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。










