こんにちは。
今回は、TANCHJIMより発売中のイヤホン「FISSION」のレビュー記事です。
※本製品はHiFiGo様にご提供いただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。
製品の概要
「TANCHJIM FISSION」は、TANCHJIMが手掛ける「ユーザーの好みに合わせて音をカスタマイズ」可能な革新的イヤホンです。
ドライバー構成はデュアル磁気回路・デュアルチャンバー型のダイナミックドライバーを搭載しており、TANCHJIM独自の「DMT5(第5世代DMT)」が盛り込まれています。
第5世代DMTのベースは同社で定評のあるイヤホン「ORIGIN」となっており、最高の磁束、低歪み、パワフルなダイナミクス、そしてこれまでに同社が採用したドライバーの中では最高効率を実現しているとのことです。
音響的な特性としては、インピーダンスは16Ω ± 10%、感度は126dB/Vrms と、比較的鳴らしやすい設計となっています。
再生周波数帯域は8Hzから48kHzまでと、超高域まで幅広い音を再現できます。
特に注目すべきは、サウンドのカスタマイズ性です。
真鍮、チタン、ステンレススチールの3種類の材質を採用したノズルが付属しており、それぞれが異なる共鳴特性を持ち、サウンドモードを切り替えることができます。
さらに、特許取得済みの4段階調整可能なアナログフィルターシステムも搭載されており、ロータリーノブでフィルターモードを切り替えることで、多様なリスニング体験を楽しめます。
これらを組み合わせることで、なんと最大12通りの異なるサウンドプロファイルを作り出すことが可能となり、「あなたに合った音」を見つけ出す喜びを提供してくれます。
また、本製品は、TANCHJIMのイヤホンで同じシステムを採用した「TANCHJIM 4U」で培われた音響技術とユーザー志向の思想を継承しつつ、さらなる進化を遂げたモデルともいえます。
ユーザーがイヤホンに合わせるのではなく、イヤホンがユーザーに柔軟に適応するという「FISSION」のコンセプトは、「4U」シリーズから続く同社の一貫した製品開発哲学を体現しています。
このイヤホンは見た目のインパクトだけでなく、その名前が示すような「音があなたに適応する」というコンセプトのとおり、自分好みのサウンドを追求できる点が大きな特徴です。
販売先のストア情報
「TANCHJIM FISSION」は、以下のストアでご購入いただけます。
製品の紹介
パッケージ構成
「TANCHJIM FISSION」のパッケージは、その洗練されたデザインが印象的です。
落ち着いたグレー系の箱には、製品名とともに「交換可能なノズル」を示すアイコンが配され、このイヤホンの大きな特徴を伝えています。
箱を開くと、イヤホン本体と3種類の交換ノズルが丁寧に収められており、特にマットな質感のイヤホン本体には「FISSION」と「TANCHJIM」のロゴが刻まれ、その上質さを際立たせています。
この丁寧な梱包は、製品への期待感を高めるとともに、開封体験を特別なものにしてくれます。
交換可能なノズルという「FISSION」の大きな特徴を示しつつ、全体的なデザインや収納方法は同社の「TANCHJIM 4U」と共通する、洗練されたアプローチが採用されています。

付属品
「TANCHJIM FISSION」は、その高いカスタマイズ性と汎用性を裏付けるかのように、非常に充実した付属品が同梱されています。
まず目を引くのは、美しいシルバーの編み込みケーブルです。
このケーブルは汎用性の高い0.78 2pin規格を採用しており、プラグ部分は3.5mmアンバランス、4.4mmバランス、そしてUSB-Cの交換可能なコネクタに対応しています。
特にUSB-Cプラグの付属は、近年のスマートフォンやタブレット、ノートPCといったデバイスがイヤホンジャックを廃し、USB-Cポートを標準搭載している現状を考えると、非常に実用的かつ先進的な配慮と言えるでしょう。
これにより、別途DAC/アンプを用意することなく、これらのデバイスに直接接続して高音質を楽しむことが可能になります。
ケーブルの線材については、公式情報に明記はされていないものの、そのしなやかさと取り回しの良さから、高品質なOFC(無酸素銅)ケーブルが採用されている可能性が高いと推測されます。
次に、このイヤホンの核となるサウンドカスタマイズを可能にする3種類の交換用ノズルが目に留まります。
写真では2種類のノズルが個別に確認できますが、公式情報によれば、ステンレススチール(S)、チタン(T)、真鍮(C)の異なる材質で構成されており、それぞれが音の響き方や特性に独自のカラーを付与するため、ユーザーは好みに合わせた音質調整を緻密に行うことが可能です。
イヤーピースは、複数のサイズと種類が同梱されており、多様な耳の形状に対応するとともに最適なフィット感と遮音性を見つけ出すことができるでしょう。
さらに、持ち運びに便利なTANCHJIMロゴ入りのシンプルな布製ポーチと、アナログフィルターの調整時に使用する専用のツールも付属しています。
これらの付属品は、単に製品を使用するだけでなく、ユーザーが「FISSION」の持つポテンシャルを最大限に引き出し、自分だけのサウンド体験を追求するためのTANCHJIMからの細やかな配慮が感じられます。
イヤホン本体
「TANCHJIM FISSION」のイヤホン本体は、機能性とデザイン性が高いレベルで融合しています。
マットな質感のシャンパンゴールド(またはシルバー、写真から見える色味で判断)に仕上げられたシェルは、非常に洗練された印象を与えますね。
フェイスプレートは、左右それぞれに「FISSION」と「TANCHJIM」のロゴが配されており、ブランドへのこだわりと高いデザイン性を感じさせます。
イヤホンの上部には、0.78 2Pinコネクタが配置されており、リケーブルに対応しているため、ユーザーは好みのケーブルに交換して音質の変化や取り回しの良さを追求することが可能です。
また、ノズル部分にはアナログフィルター調整用のロータリーノブが見て取れます。
これはこのイヤホンの大きな特徴である4段階の音響調整を可能にする機構で、ユーザーが直感的にサウンドプロファイルを変更できる優れた設計と言えるでしょう。
イヤホンの下部には、L/Rの表記とベント(空気孔)が確認でき、音響的なチューニングへの配慮が感じられます。
人間工学に基づいて設計されたというシェルは、耳へのフィット感を高め、長時間のリスニングでも快適に過ごせるよう配慮されているようです。
細部にわたる丁寧な仕上げが、製品全体のプレミアム感を一層高めています。
ノズル径は「6.4mm」で、標準的なイヤーピースであれば問題なく装着可能です。
レビュー
レビュー環境
本記事のレビュー時における構成は、以下のとおりです。
各ノズルを交換しつつ、アナログフィルターはデフォルト(ノズル側に矢印が向いた状態)でレビューを進めていきます。
| イヤーピース | final Eタイプ |
| イヤホンケーブル | 付属ケーブル(4.4mm) |
| DAC・アンプ | ONIX Waltz XM10 LTD |
試聴曲(アイドル / YOASOBI)
全体的な音色・各音域のバランス
全体的な音色として、私自身のイメージは「ニュートラル~暖色寄り」だと感じました。
各音域のバランスについては、以下のとおりです。
低音域
楽曲の冒頭からグッと踏み込むような力強いアタックが印象的です。
深みがありながらも過度に主張せず、心地よい余韻を残す表現力を持っています。
特に、テンポの速い楽曲においても、そのレスポンスの良さは特筆すべきもので、タイトかつ迅速に音を立ち上げ、引き締まった低域表現が楽曲全体のグルーヴ感を損なうことなく、ダイナミックな表現に貢献しています。
中音域
他の音域との分離感が非常に良好で、ボーカルや楽器の一つ一つがクリアに際立ちます。
特に、低音域とのマッチングは絶妙で重厚なベースラインの上で中音域が埋もれることなく、聴き心地の良いバランスを保っています。
高音域へとスムーズに移行する際は、余計な付帯音が少なく、スッと抜けの良いクリアな印象を与えます。
音場はやや広めに感じられ、音の広がりや奥行きが適切に表現されるため、楽曲に空間的なゆとりをもたらしています。
高音域
高い解像度によって、サウンドの細部まで鮮明に描き出します。
ボーカルの透明感は特筆すべき心地よさがあり、伸びやかでクリアな歌声が耳にすんなりと届きます。
低音域で力強く持ち上がった楽曲のテンションを、耳に刺さることなく軽やかに、そして伸びやかに通過させてくれるような印象です。
これにより、高音域が楽曲全体の開放感を演出し、長時間リスニングにおいても聴き疲れを感じさせにくい、優れたバランスを実現しています。
ノズル・フィルターによるサウンドの変化
「TANCHJIM FISSION」の最大の魅力は、その優れたサウンドカスタマイズ性にあると言えるでしょう。
ステンレススチール(S)、チタン(T)、真鍮(C)の3種類の交換用ノズルと、特許取得済みの4段階アナログフィルターを組み合わせることで、ユーザーは実に多様なサウンドプロファイルを展開することが可能です。
試聴曲「アイドル / YOASOBI」を基準に、それぞれのノズルが音質にどのような影響を与えるかを検証しました。
ステンレススチール(S):パワフルさとクリアさの融合
まず、ステンレススチールノズル(S)を装着して試聴しました。
このノズルは、資料にある「D-Dynamic」が示すように、最もダイナミックでパワフルなサウンドを届けてくれる印象です。
低音域は、タイトで力強いアタックを持ちながらも、過度に膨らむことなく、楽曲全体に深みと安定感をもたらします。
中高域はクリアかつ音の輪郭が明瞭に感じられ、特にロックやEDMなど、パワフルな表現が求められるジャンルにおいて、その真価を発揮すると感じました。
「アイドル」のような情報量の多い楽曲でも、音の分離が良く、各パートがしっかりと際立ちます。
チタン(T):洗練されたクリアサウンドと心地よい残響感
次に、チタンノズル(T)に交換したところ、その音響特性に非常に魅力を感じました。
全体的に粗が取れたような、非常にクリアでスッキリとしたサウンドが印象的です。
音の輪郭が明瞭になり、音場がより洗練された印象を受けました。
特に、低音域の残響感が非常に心地よく、タイトでありながらも深みのある低音が、楽曲全体に自然な奥行きと躍動感を与えてくれます。
フラット寄りの音響特性に転じる印象で、原音に忠実でありながら、FISSIONならではの豊かな表現力を両立していると感じました。
このチタンノズルはボーカルの透明感や、楽器の細やかなニュアンスを重視する場合は特に推奨できる組み合わせだと感じています。
「アイドル」を聴いた際も、ikuraさんのボーカルがより際立ち、緻密なサウンドプロダクションの細部まで聴き取ることができていたと感じます。
🌟一押し:チタン(T)ノズルとフィルター(ナチュラル)の組み合わせ
チタンノズルは非常にバランスが良いのですが、もし「アイドル」のような情報量の多い楽曲で、さらに全体の明瞭感を高めたい、あるいはボーカルをもう少し前面に出したいと感じる場合は、アナログフィルターの調整が効果的だと思います。
アナログフィルターを「ニュートラル」→「ナチュラル」へ切り替えると、全体的な滑らかさが増すことで印象深いサウンドを楽しむことができました。
この組み合わせは「バーチャル録音」のセクションでも採用していますので、ぜひご参考ください。
真鍮(C):鮮やかな高域と独特の響き
最後に真鍮ノズル(C)を試したところ、チタンやステンレススチールの材質とは異なる魅力が感じられました。
高音域、特にハイハットの細やかな響きが際立つようになり、全体的なサウンドに華やかさを醸し出します。
ボーカルは若干収まったような印象を受けましたが、これは高域の強調によって、相対的にボーカルが少し奥に位置するように聴こえるのかもしれません。
真鍮由来の響きが加わることで、音場全体に温かみと広がりが生まれる可能性も感じられました。
この真鍮ノズルは、高域の煌めき・空間的な広がりを重視する方、あるいは楽曲全体の雰囲気を明るくしたい場合に適しているといえるでしょう。
バーチャル試聴
バイノーラルマイクで収録した、バーチャル試聴動画です。
あくまでも参考値となりますので、実際に皆さまの耳で試聴された印象とは大きく異なる可能性があります。
今回のレビューは以上です。
お読みいただきありがとうございました。










