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【DAC】FiiO K9 Pro ESS


こんにちは。
今回はFiiO社から発売中の据え置きDAC&ヘッドホンアンプ、K9 Pro ESSのレビューです。
据え置きのフラッグシップとして登場した本DACは、同社のK7、K9などと共に多くの方が気になる製品の1つです。

自宅でまったり音楽を聴くために購入してみましたので、本記事でレビューを兼ねてご紹介できればと思います。

製品概要

「FiiO K9 Pro ESS」は、イヤホンやポータブル・据え置きDACを手掛けるメーカー「FiiO」より発売された据え置きDAC&ヘッドホンアンプの最上位モデルです。
前製品の「K9 Pro LTD」の基本的な設計は踏襲しつつ、DACチップをAKM社の「AK4499EQ」シングル搭載からESS社の「ES9038PRO」のデュアル搭載へ置き換え、さらなる進化を遂げた製品となります。

また、ヘッドホンアンプにはFiiO社、THX社の共同開発により設計された「THX AAA 788+」を2基搭載しており、完全なバランス設計に加え、2,100mW/32Ω・1,100mW/300Ω(バランス接続時)の高い駆動力を発揮します。
加えて、様々なイヤホン・ヘッドホンに対応できるよう、ロー・ミドル・ハイの3段階でゲイン調整が可能となっており、使用する機器に合わせた微調整ができるようになっています。

なお、Qualcomm製の「QCC5124」を搭載しており、有線接続だけでなくLDAC・aptX HD・aptX Adaptiveなど高品質なBluetoothコーデックも使用可能となっています。

上記に加え、最新のMQAフォーマットのレンダラー機能を搭載しており、抜け目のない「全部載せ」のDACとして展開されています。

その他詳しい説明については、国内代理店のエミライさんのページをご参考ください。

K9 Pro ESS – FIIO Japan

箱と付属品について

私が購入した製品は輸入品のため、正規代理店の保証は受けられない個体となります。
正規代理店を通した製品の場合は代理店名の表記がある(と思うので、)新古品の購入時には気をつけましょう。
もちろん、保証を受けるとなれば購入証明書も必要です。

本製品は裏面に「115V/230V」の電圧切り替えスイッチがあり、輸入品では「230V」に設定されています。
日本国内で使用する場合は必ず、スイッチを切り替えて「115V」の状態で使用するようにしてください。

なお日本の規定電圧は100Vですが、その辺りは気にせずで問題ありません。


筐体はマットブラック一色に、ボリュームや天面のエンブレムに所々ゴールドがあしらわれた形となっており、高級感を感じます。
前面の出力端子は6.3mm/4.4mm/XLR4ピンに対応しており、3.5mmは6.3mmからの変換アダプタ経由となります。
背面はBluetoothアンテナ端子、USB Type-B、同軸(光デジタル)端子、アナログラインイン・ラインアウト(アンバランス・バランス)を備えています。

また、写真には写っていませんが筐体右側にUSB Type-C端子を備えており、スマートフォン等の接続も可能です。
USB Type-Bと同時に使用した場合、Type-C側の入力が優先される仕様ですので、参考となれば幸いです。

付属品はクイックスタートガイド、保証書、電源ケーブル(輸入品のため海外仕様)、USB Type-A to Type-Bケーブル、縦置きスタンド、Bluetoothアンテナ、ゴム足(予備2個を含めて6個)、交換用ヒューズ、6.3mm→3.5mm変換アダプタとなります。
縦置きスタンドが付属していますので、スペースの限られた場所へ設置する場合も安心して検討できるかと思います。

音質レビュー

音質のレビューにあたり、以下の環境・曲を使用しています。
・PC → FiiO K9 Pro ESS 有線接続 ※USBケーブルはaudioquest Cinnamonを使用
・イヤホンはSeeAudio Bravery、ヘッドホンはSennheiser HD800Sを使用
・再生ソフトは“TuneBrowser”を使用
・ロック(Crush 40)やアニソン(VTuber含む)を参考曲として使用しています。

同じFiiO社の「BTR7」との比較も検討しましたが、そもそもポータブル・据え置きで製品としての立ち位置が違うこともありますので、あくまでも感覚をリセットするための手段として、一度すべての曲をBTR7で聴きました。

そのうえで、「K9 Pro ESS」で聴きなおした印象をレビューとして記事に書いていきたいと思います。

まず、イヤホンの感想から。
レビューに用いた「SeeAudio Bravery」はインピーダンスが18Ωと低めなこともあり、ハイゲインでは多少ホワイトノイズが乗ります。
そのため、ミディアムゲインかつボリュームを10時程度の位置にすることでホワイトノイズ感はなくなり、問題のないレベルの音量が得られました。
ゲインの調整ができない機器の場合はアッテネーターが必要となりますが、こういった場合に3段階のゲイン調整ができるのは大変便利だと感じます。

また、BTR7のレビューでは「イヤホンに下手な着色をしない」ことを挙げていましたが、その特長は保ったままに飛躍的に昇華させた低ノイズで美麗なサウンドを奏でてくれるな…というのが第一印象です。
BTR7で少し感じていた音の硬質さが抜け、高域までしっかりと伸ばしつつ音場が広くなったようなイメージを感じます。
「K9 Pro ESS」のレビューではあるものの、価格差を考えればBTR7のポテンシャルの高さについても再認識させられました。

そして、ヘッドホンの感想。
本機の性能を最大限に引き出すのであれば、(私はイヤホン使用が多いものの、)ヘッドホンでの運用が理想だろうと思います。
レビューに用いた「Sennheiser HD800S」はインピーダンスが300Ωと高く、駆動力が必要なことで有名ですが、K9 Pro ESSではハイゲインかつボリュームを11時程度の位置にすることで、問題のないレベルの音量が得られました。
開放型のHD800Sならではの音場の広さを十二分に感じさせつつ、搭載アンプ「THX AAA-788+」で低ノイズかつ強力に駆動させてくれるため、据え置きとしては小型な筐体ながらしっかりと設計されたヘッドホンアンプだな、と感じました。
流石に本製品はヘッドホンアンプとして開発されているため、無理をして鳴らしているような雰囲気はまったく感じさせず、イヤホンを含めて機器の性能を最大限に引き出してくれるため、何も気にせずに音楽に入り浸ることができます。

最近は星街すいせいさんの曲を流していることが多いのですが、例えば「Stellar Stellar – From THE FIRST TAKE」ではノイズ感が皆無かつ、ご本人が目の前で歌っているかのような臨場感と音場の広さに鳥肌が立つほどでした…。

また、余談ですが出力端子はスッと軽い力で差し込むことができ、途中で引っかかりなどを感じることはありません。
FiiOの他製品(BTR7)も同じの印象でしたが、細かい部分にも気配りがされた丁寧な設計であるなと改めて感じました。

直近ではDACチップの変更や各種コンポーネントの変更で低価格化しつつ、アンプは「THX AAA-788+」をそのまま搭載したパワフルなモデル「K9(無印)」も発売されています。
決して安い買い物ではありませんが、幸いなことにどちらも日本国内で試聴することができます。
下位モデルを含めて十分に聴き比べをしてご検討いただくことをおススメします。

本製品を販売中のストアはいくつかございますので、参考までにご覧いただけたらと思います。

https://s.click.aliexpress.com/e/_DFzD6W9
https://s.click.aliexpress.com/e/_DkM8Iov

お読みいただきありがとうございました。

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