こんにちは!
今回は、TANGZUから登場したイヤホン「TANGZU LI ZHI」のレビューをお届けします。
金色の龍をあしらった華やかな外観に加えて、開封時から特別感を味わえるパッケージ構成も目を引くモデルですが、個性派な外観とは裏腹に音の方向性は見た目ほど派手ではなく、落ち着いたバランスに仕上げられています。
今回は、外観や付属品、装着感を確認しながら、「TANGZU LI ZHI」がどのようなイヤホンなのか紹介していきます。
製品の紹介
パッケージデザイン
「TANGZU LI ZHI」の外箱は、黒を基調とした落ち着いたデザインに仕上げられています。
正面には製品名が大きく配置され、その背後には龍を思わせる模様が控えめに描かれており、金色の文字や装飾も含めて、イヤホン本体へつながる世界観を丁寧に整えた印象です。
外箱を開けると、内部には木目調の収納ボックスが収められています。
イヤホンのパッケージとしては大型であることに加え、かなり珍しく、最初に見たときは高級感を含めて少し驚きを感じました。
艶のある表面と金色の留め具を組み合わせた外観は、収納ボックス単体でもそのまま手元に残しておきたくなるような存在感があります。
収納ボックスの中には、イヤホン本体や付属品が整然と収められています。
開封してから実際に手に取るまでの流れにも特別感があり、フラッグシップモデルにふさわしい演出を楽しめるパッケージです。
付属品
付属品は、専用ケーブル、イヤホンケース、複数種類のイヤーピースが中心となっています。
特に目を引くのは、イヤーピースの選択肢が非常に多いことです。
Tang Sancaiシリーズは標準タイプに加えて、軸の細いタイプ(Narrow Bore)と太いタイプ(Wide Bore)が用意されており、さらにサブブランド(Harmonic Empire)で扱われているSonic EartipsやSonic Eartips Galaxy Edition、さらにDIVINUSのPRISM Wide Boreも付属するという充実ぶり。
これだけの種類が同梱されていれば、装着位置や密閉感だけでなく低音域の量感や音の抜け方も幅広く調整が効き、最初からひとつに決め打ちすることなく何種類か聴き比べてみると深く楽しめそうです。

イヤホンケースは、落ち着いた色合いでまとめられたファスナー式のケースです。
表面にはロゴが控えめにあしらわれており、木目調の収納ボックスや華やかなイヤホン本体とは対照的に、日常的に持ち歩きやすいデザインとなっています。
ケース内には、ケーブルを巻き付けてまとめられる専用のホルダーが収められています。
一般的なケースのように、そのまま押し込んで収納することもできますが、ホルダーを使えばケーブルが絡みにくく、イヤホン本体と接触して傷が付くリスクも抑えやすくなります。
取り出すたびにケーブルをほどく手間が少なくなるため、見た目だけでなく実用性も考えられた付属品です。
「TANGZU LI ZHI」の搭載ドライバーに合わせて設計された専用ケーブルは、中国国内でオーディオ周辺アクセサリーを手掛けるZephoneとの共同開発品です。
古河銀銅合金を含む線材を用いた7芯構造となっており、ある程度の太さはありますが、金色を基調とした明るい配色がイヤホン本体ともよく馴染みます。見た目から想像するほど重さは気になりません。
イヤホン側にはフラット型の2Pin端子を採用しているため、好みに応じてケーブルを交換することも可能です。
付属ケーブルの耳掛け部分はやや硬めに作られているため、初めて使う際には耳の形に合わせて軽く整えておくと扱いやすさが増します。
イヤホン本体
「TANGZU LI ZHI」の本体は、金色のフェイスプレートと黒色の筐体を組み合わせた、ひと目で印象に残るデザインです。
フェイスプレートには龍と雲をモチーフにした立体的な装飾が施されており、鱗や爪の細かな造形まで丁寧に作り込まれています。
装飾性の強いイヤホンではありますが、全体を金色一色でまとめるのではなく、黒色の筐体を組み合わせることで輪郭が引き締まり、華やかさの中にも落ち着きが感じられます。
フェイスプレートには亜鉛合金が使われており、真空メッキとマット加工を組み合わせた仕上げとなっています。
実際に手に取ると、凹凸のある龍の造形と金属らしい光沢が角度によって表情を変えるため、写真で見る以上に存在感があります。
唐代の皇帝を題材とした製品コンセプトを、単に名前だけで終わらせず、外観から分かりやすく伝えたデザインです。
また、筐体部分にもステンレススチールが採用されています。
フェイスプレートと同様に金属素材を用いた「フルメタルモデル」ではありますが、フェイスプレートほど金属質な印象はなく、一見するとプラスチック筐体との外観差はないようにも見えます。
耳へ収まる側は比較的すっきりとした形状にまとめられており、装飾の華やかさに対して装着時の扱いやすさは意外と現実的です。
ノズルは極端に長い形状ではなく、耳の奥へ深く差し込むというよりはイヤーピースで安定した位置を探しながら装着するタイプとなっています。
振動板には一般的なDLC振動板ではなく、本物のダイヤモンド結晶を蒸着した振動板を採用しています。
従来のDLC振動板と比べると40%の剛性アップが図られており、不要な振動を抑えつつ細かな音の変化まで描き分けることを狙った設計です。
なお、搭載ドライバー自体は、同社の「TANGZU THE KING WUKONG」と共通する基礎設計をもとに、「TANGZU LI ZHI」向けに改めて調整されています。
構成だけを見れば、近年のハイエンドイヤホンとしてはむしろ潔いほどシンプルですが、振動板や筐体、接続端子までをパーツ単位で細かく煮詰めることで、シングルドライバーならではの自然なつながりを引き出そうとした設計です。

販売先のストア情報
「TANGZU LI ZHI」は、以下のストアでご購入いただけます。
真のダイヤモンド振動板ダイナミックドライバー搭載。TANGZUの妥協なきフラッグシップモデル
レビュー
レビュー環境
本記事のレビューは、以下の環境で行いました。
| イヤーピース | 付属イヤーピース(TANGZU Tang Sancai Wide Bore) |
| イヤホンケーブル | 付属ケーブル(4.4mm) |
| DAC・アンプ | D&A Alpha Pro |
全体的な音色・各音域のバランス
全体的な音色として、私自身のイメージは「暖色寄り」だと感じました。
低音域にしっかりとした深さを持たせながら、全体を落ち着いた方向に整えたイヤホンです。
輪郭や明るさを強く押し出し、一聴した瞬間から細かな音を派手に見せるタイプではありません。
音楽を聴き進めるうちに、各音域の自然なつながりや奥行き、余韻の残し方が少しずつ見えてくる面白さがあります。
音の密度は十分にありますが、窮屈に詰め込んだ印象はなく、楽曲の中には自然な余白が残されています。
左右へ大きく広げるだけでなく、手前と奥の距離を感じ取りやすいため、音数が増えた場面でも平面的になりにくい点が印象的でした。
なお、低音量では少し控えめに感じられる場面もあります。
ある程度まで音量を上げると、低音域の沈み込みや空間の広がりが見えやすくなり、本来の持ち味を楽しみやすくなります。
音量を上げても高音域だけが先に目立ちにくく、落ち着いた音色を保ったまま、楽曲の厚みが自然に増していくタイプです。
各音域のバランスについては、以下のとおりです。
低音域
低音域は、耳元で大きく膨らませるというより、下方向へ深く沈み込みながら曲全体を支えます。
量感はしっかりとありますが、低音を分かりやすく前へ押し出すのではなく、楽曲の土台として存在感を残すような鳴り方です。
ベースには広がりと重さがあり、ゆったりとした楽曲では余韻を伴いながら静かに沈み込みます。
一方で、キックは出だしがぼやけにくく、リズムを刻む場面では適度な締まりも感じられました。
深さを重視した低音域でありながら、必要以上に膨らんで中音域を覆い隠すことはありません。
低音域の量だけで押し切るタイプではないため、いわゆる低音重視のイヤホンとは少し異なります。
力強さはありつつも、沈み込みや輪郭、楽曲全体との馴染み方まで含めて丁寧に整えられています。
中音域
中音域は、ボーカルを極端に前へ押し出さず、伴奏との距離を自然に保ちながら配置します。
声が遠くへ引っ込むわけではなく、楽器が重なる場面でも中心に芯が残るため、歌詞や声色の変化を追いかけやすい印象です。
女性ボーカルでは、伸びやかさを保ちながらも、声の先端が強くなりすぎません。
繊細な歌い方では息遣いや声の揺らぎを残し、力強く歌う場面では楽曲全体の広がりとともに自然にスケールアップします。 男性ボーカルや厚みのあるバンドサウンドでも、声が細くなりすぎることはありません。
ギターやドラムが重なる中で、ボーカルだけを不自然に浮かび上がらせず、それでも存在感を失わないバランスです。
声を主役として近くに寄せるというより、楽曲の中で実体感を持たせるような中音域だと感じました。
高音域
高音域は、鋭さや煌びやかさを積極的に強調する方向ではありません。
金属音や弦楽器の響きには輪郭を残しつつ、先端を少し穏やかに整えており、音量を上げたときにも耳へ強く当たりにくい印象です。
落ち着いた高音域ですが、暗く閉じた音ではありません。ボーカルに含まれる息遣いや残響、ピアノや弦楽器の余韻は自然に残されており、楽曲の静かな場面では空間の広さや音が消えていく過程まで感じ取りやすくなっています。
細かな音を明るく照らして分かりやすく見せるというより、低音域や中音域とのつながりを崩さず、楽曲へ奥行きと落ち着きを加えるような高音域です。
長時間じっくり聴きたいときにも、音の情報量を保ちながら穏やかに楽しみやすいバランスに仕上がっています。
まとめ
「TANGZU LI ZHI」は、華やかな外観と充実したパッケージ構成に目を奪われますが、実際の音づくりは見た目ほど派手ではありません。
低音域の深さを土台にしながら、ボーカルや楽器の重なりを自然に描き、長く聴いているうちに少しずつ良さが見えてくるイヤホンです。
本体は見た目から想像するほど大きくなく、耳への収まりも悪くありません。
ただし、やや浅い位置に収まりやすい形状となっているため、耳の奥までしっかりと固定したい方は、イヤーピース選びを丁寧に行ったほうが良さそうです。付属ケーブルも耳掛け部分に少し硬さがあるため、使い始めに形を整えておくと扱いやすくなります。
分かりやすい派手さよりも、低音域の深さ、ボーカルの実体感、楽曲の奥行きをじっくり味わいたい方に向いたイヤホンです。
フラッグシップモデルらしい特別感を楽しみながら、落ち着いた音色で音楽へゆっくり浸りたい方には相性の良い選択肢だと感じました。
今回のレビューは以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。









