「Celest PhoenixCall 2.0」は、幻想的なフェイスプレートと6基のドライバー構成を軸に、見た目からかなり語り掛けてくるイヤホンです。
このイヤホンは、4つのカラーバリエーションで展開されています。
その中から、今回はブルー・シルバー系の「Moonlit Sea Whisper」を選んで聴いてみました。

製品の紹介
パッケージデザイン
パッケージは黒を基調に、金色の製品名とアートワークを組み合わせたデザインです。
表面には「Moonlit Sea Whisper」の文字と、月夜の海を思わせる小窓風のイラストが入っており、物語性のある見せ方になっています。
内側もかなり凝っていて、山、鳥、月、海のイラストをパネル状に配置した作りです。
箱を開けた瞬間に「イヤホンを買った」というより、ちょっとした画集をめくっているような感覚があります。
実用品として淡々と収めるのではなく、開封体験ごと楽しませる方向。
このあたりの演出は、Kinera / Celest系らしい魅力のひとつだと思います。
付属品
付属品はケーブル、3.5mm / 4.4mm交換式プラグ、イヤーピース、収納ポーチなど。
イヤーピースは2種類が同梱されており、数で圧倒するタイプではありませんが、最初から音の傾向や装着感をある程度調整できます。
収納ポーチは丸型のハード寄りなタイプで、外側にはCelestロゴが入っています。
イヤホン本体とケーブルをまとめて入れるには十分ですが、交換プラグやイヤーピースまで余裕たっぷりに持ち歩くというより、日常的な保管・携帯向けのサイズ感です。
付属ケーブルは0.78mm 2Pin仕様で、3.5mm / 4.4mmのプラグ交換式に対応しています。
交換は少し独特で、プラグ側のカバーを回して外し、端子部分を差し替える構造です。頻繁に付け替えるというより、使う前に接続先へ合わせて選ぶタイプですね。
ケーブルの線材は5N品質の銀メッキ銅で、48本の導体を8芯構造にまとめています。
見た目は細身で、白系の被覆と金属パーツの組み合わせも綺麗です。取り回しも比較的しやすく、付属ケーブルのまま使いやすい構成だと思います。

イヤホン本体
本体は透明感のあるブルー系レジンシェルで、内部構造がはっきりめに見えるタイプです。
フェイスプレートは左右で意匠が異なり、片側は鳥のモチーフ、もう片側は月を中心にしたデザインになっています。
今回の個体は「Moonlit Sea Whisper」という名前の通り、夜の海と月明かりをイメージしたような見た目です。
4色展開なので、音だけでなく自分好みのデザインを選べる楽しさがあります。こういう選択肢の豊富さは、検討する側にとっても好みにハマる個体を探しやすいポイントです。
Celestのイヤホンは音だけでなくデザイン面でも印象に残りますので、耳元に置く小さなアート作品という表現もありかと思います。
ドライバー構成は、3種類のドライバーを2基ずつ搭載する2DD + 2BA + 2FPD構成です。
低域側に8mm径のダイナミックドライバーを同軸デュアル構造で搭載し、中高域側にKnowles製BAとカスタムBAを1基ずつ、高域側に6mm径のFPDを2基組み合わせています。
メーカー側で構成がかなり細かく公開されているため、どのような狙いのマルチドライバー機なのかを把握しやすいです。
この手の構成は名前だけ派手に見えることもありますが、こちらのイヤホンは内部仕様まできちんと見せてくれるタイプですね。
ノズル径は実測で約6.3mmで、やや太めかなといった塩梅です。
シェル側は緩くカーブを描く形状で、厚みはそれなりにありますが、耳に収めたときの保持力は良いほうだと思います。
販売先のストア情報
「Celest PhoenixCall 2.0」は、以下のストアでご購入いただけます。
2DD + 2BA + 2FPD各所に2基ずつ満遍なく配置したトライブリッドイヤホン
レビュー
レビュー環境
本記事のレビューは、以下の環境で行いました。
| イヤーピース | NiceHCK C04 |
| ケーブル | 付属ケーブル(4.4mm) |
| DAC・アンプ | D&A Alpha Pro |
全体的な音色・各音域のバランス
「Celest PhoenixCall 2.0」の音は、低めの重心と厚みのある鳴り方がまず印象に残ります。
すっきり軽快に抜けていくというより、曲全体へほどよい密度を持たせるタイプです。
バランスとしては、低音が土台を広めに作り、その上にボーカルや楽器が乗るような聴こえ方です。
音の輪郭を細く削って分離を強調する方向ではなく、ある程度まとまりを持たせながら聴かせます。
一方で、上の帯域が暗く沈む感じは少なめです。
細かな金属音や余韻が適度に残るため、低音寄りの重さがありつつも、全体の見通しは確保されています。
いわゆるモニター的な整理感より、音楽としての厚みや雰囲気を優先したチューニングです。
低音の存在感を楽しみつつ、高音域の細かな響きで印象を整えるイヤホンだと思います。
低音域
低音域はよく膨らみ、最も存在感のある部分です。
低い打音やベースラインが曲の下側を厚く支え、音全体にしっかりとした土台を作ります。
沈み込みは深めで、軽く弾むというより、少し重さを伴って押し出してくるタイプです。
量感は多めですが、輪郭が極端にぼやけるわけではなく、リズムの芯は追いやすいです。
低音のふくらみが中音域へ少しかぶる場面はあります。
ボーカルと低音が近い位置で鳴る曲では、声の周囲に厚みが乗り、すっきり分離するというより少し混ざりながら聴こえます。
ただ、この混ざり方は悪い方向だけではありません。
声や楽器にほどよい温度感を足すので、薄味な音より濃いめの音を楽しみたい人には合いやすいと思います。
中音域
中音域は、低音の厚みに支えられた少し濃いめの鳴り方です。
ボーカルは中央に残りますが、音像をくっきり前へ切り出すというより、伴奏の中に自然に溶け込む印象があります。
女性ボーカルは明るく抜けすぎず、少し落ち着いた距離で鳴ります。
声の輪郭は追いやすいものの、低音の量が多い曲では、言葉の周囲に少し厚みがつきます。
男性ボーカルは低音側の支えが効きやすく、細くなりにくいです。
声の芯を強く押し出すタイプではありませんが、曲全体の重心と合わせて聴くと安定感があります。
楽器の重なりは、きっちり分離するというより、ある程度まとまって鳴る方向です。
音数が増えると少し密度は出ますが、完全に固まってしまうほどではなく、必要な見通しは残っています。
高音域
高音域は、最近の平面駆動ドライバー搭載機の中でも上々です。
低音の存在感が強い中でも、上側に細かなきらめきが残るため、音が重くなりすぎません。
特にハイハットの鳴り方が好印象です。
前へ鋭く飛んでくるというより、やや後方の低い位置から細かく響き、粒の細かさを感じさせます。
ザラつきや粗さが少なく、金属音を綺麗に聴かせてくれます。
高音の伸びは、派手に突き抜けるというより、必要なところで細かく光るタイプです。
平面駆動らしい反応の良さがあり、小さな音が奥に沈みにくいので、低音寄りのバランスでも暗くなりすぎません。
刺激感は曲や音量によって多少変わりますが、基本的には耳へ刺すよりも、全体の輪郭を整える方向に働いています。
低音で押し出し、高音で後味を整える。このイヤホンにおける聴きやすさは、この組み合わせが大きく寄与していると思います。
まとめ
「Celest PhoenixCall 2.0」は、デザインの美しさと濃いめのサウンドを一緒に楽しめるイヤホンです。
箱、本体、フェイスプレート、ケーブルまで含めて世界観がまとまっており、所有感はかなり高いです。
音は低音の存在感が強く、全体としては厚みや迫力を楽しむ方向です。
すっきり軽快な音を求める人より、少し濃いめで満足感のある鳴り方を好む人に合いやすいと思います。
初代PhoenixCallは未所有なので直接比較はできませんが、少なくともこのイヤホン単体で見ると、Celestらしいデザイン性と音作りの楽しさはしっかり感じられます。
Kinera / Celest系のイヤホンが好きな人なら、この作り込みにはかなり惹かれるはずです。
今回のレビューは以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。





